次の方法で共有

ファイルおよびフォルダーの分岐 (Team Explorer Everywhere)

分岐を使用すると、次のタスクを実行できます。

  • 同じコード ベース上での複数のチームによる同時実行作業を管理する。

  • さまざまな変更セットによってコード ベースに導入されたリスクを分離する。

  • スナップショットを取得し、それ以降の個別の変更をサポートする (たとえば、リリース分岐またはサービス分岐を作成する)。

たとえば、次の図は、架空の DinnerNow 社がビジネス ニーズを満たす分岐構造を開発する方法を示しています。

VcViewHierarchyExample

Feature Team A と Feature Team B は、それぞれ別の分岐で作業を実行します。 それらのチームの作業を統合する準備ができると、それぞれの分岐を Dev 分岐にマージします。 Dev 分岐からのビルドが安定してテストの準備ができると、それらのチームは Dev 分岐を Test 分岐にマージします。

それぞれのバージョンがリリースされると、Main 分岐が新しいバージョンの分岐 (Version1 分岐と Version2 分岐など) に分岐されます。 この方法により、過去のバージョンの製品を個別に強化または修正できます。

注意

分岐は、チームがファイルの代替のバージョン セットを作成するために使用できる重要で強力な手法です。 しかし、分岐を使用するとプロジェクトが複雑になり、コストが高くなることがあります。 たとえば、分岐をマージする場合、競合の解決が必要になることがあります。

要件を満たすためにはラベルを適用する方がよいかどうかを、分岐を作成する前に考慮する必要があります。 ラベルを適用することで、ファイルの状態のスナップショットをすばやく簡単に取得し、後でその状態のファイルを取得またはビルドできます。 詳細については、「ラベルを使用したファイルのスナップショット取得 (Team Explorer Everywhere)」を参照してください。

このトピックの内容

  • フォルダーから分岐への変換

  • 分岐の分岐

  • フォルダーまたはファイルの分岐

フォルダーから分岐への変換

Visual Studio Team Foundation Server 2010 のリリースでは、分岐とフォルダーを区別するようになりました。 次の図に、DinnerNow のフォルダー構造の最上位レベルを示します。

ソース管理エクスプローラーに表示された DinnerNow フォルダー構造

vcExplorerFoldersAndBranchesCalloutsTEE

図に示すように、フォルダーを使用して、バージョン管理されたチーム プロジェクトのファイル システム階層に分岐を整理できます。 ただし、フォルダーと分岐では表示形式も機能も異なります。 フォルダーまたは分岐を右クリックして [プロパティ] をクリックすると、表示される情報と機能はそれぞれ異なります。

分岐操作を実行した場合、分岐はフォルダーより大きな利点があります。 分岐は、分岐構造の詳細と、変更セットがマージされた場所の情報を表示するバージョン コントロール機能をサポートしています

重要

Team Foundation Server 2010 の Visual Studio クライアントでは、分岐を視覚的に表示できます。 この分岐の視覚化は、Team Explorer Everywhere 2010 では使用できません。

分岐を入れ子にはできません。 したがって、他の分岐を含む、または他の分岐に含まれるフォルダーは、分岐に変換できません。 たとえば、次の図は、FeatureTeamA 分岐の親も子も分岐に変換できないことを示しています。

入れ子になった分岐は許可されていない

フォルダーの分岐およびマージは使用できますが、ベスト プラクティスとして、分岐のみを分岐およびマージすることをお勧めします。 次の手順では、フォルダーを分岐に変換する方法について説明します。

必要なアクセス許可

次の手順を実行するには、[分岐の管理] のアクセス許可が [許可] に設定されている必要があります。 詳細については、Microsoft Web サイトの「Team Foundation Server のアクセス許可」を参照してください。

注意

Team Foundation Server のプラットフォーム間のコマンド ライン クライアントを使用してフォルダーを分岐に変換することはできません。

フォルダーから分岐に変換するには

  1. ソース管理エクスプローラーで、変換するフォルダーを右クリックし、[分岐に変換] をクリックします。

    [フォルダーを分岐に変換] ダイアログ ボックスが表示されます。

    重要

    それまでに分岐したフォルダーを変更する場合は、[以前にこのフォルダーから分岐したすべてのフォルダーに対してこの変換を再帰的に実行する] チェック ボックスをオンにします。 このオプションでは、この 1 つのフォルダーから分岐されたすべてのフォルダーを分岐に変換します。

  2. (省略可能) [所有者] に、この分岐を所有しているユーザーの名前を入力します。

    注意

    [所有者] フィールドは情報提供用です。 [所有者] フィールドに入力されたユーザーに追加のアクセス許可は付与されません。

  3. (省略可能) [説明] に、この分岐を使用するかその目的を理解する必要がある他のチーム メンバーに役立つと思われる情報を入力します。

  4. [変換] をクリックします。

分岐の分岐

フォルダーを分岐に変換すると、その分岐から他の分岐を作成できます。

必要なアクセス許可

この手順を実行するには、ソース分岐とターゲット分岐のパスに対する [分岐の管理] アクセス許可が [許可] に設定されている必要があります。 また、ターゲット分岐のパスに対する [マージ] アクセス許可が [許可] に設定されている必要があります。 詳細については、Microsoft Web サイトの「Team Foundation Server のアクセス許可」を参照してください。

重要

Team Foundation Server のプラットフォーム間のコマンド ライン クライアントを使用して分岐を分岐することはできません。

分岐を分岐するには

  1. ソース管理エクスプローラーで、分岐する分岐を右クリックし、[分岐] をクリックします。

    [分岐元] ダイアログ ボックスが表示されます。

  2. [ターゲット分岐名] で、新しい分岐のパスを指定します。

  3. (省略可能) [単位] ボックスの一覧で、次のオプションのいずれかをクリックします。

    • [最新バージョン] をクリックすると、バージョン コントロールの最新のバージョンに分岐が作成されます。

    • [変更セット] をクリックすると、[変更セット] ボックスに変更セット番号を指定できます。 または、省略記号 (...) をクリックして [変更セットの検索] ダイアログ ボックスを開きます。

      詳細については、「変更セットの検索」を参照してください。

    • [ラベル] をクリックすると、[ラベル] ボックスにラベル名を入力できます。 または、省略記号 (...) をクリックして [ラベルの検索] ダイアログ ボックスを開くこともできます。

      詳細については、「ラベルの一覧、検索、表示、編集、および削除」を参照してください。

    • [日付] をクリックした場合は、[日付] ボックスで日付を指定できます。

    • [ワークスペース バージョン] をクリックすると、[ワークスペース] ボックスに、コンピューターと Team Foundation Server ワークスペースを指定できます。

  4. [分岐] をクリックします。

フォルダーまたはファイルの分岐

重要

ほとんどの場合、この手順はベスト プラクティスではありません。 しかし、Visual Studio Team System 2008 Team Foundation Server および Visual Studio 2005 Team Foundation Server では、この種類の分岐しか使用できません。 フォルダーを分岐に変換したり、分岐を分岐したりすることはできません。

フォルダーまたはファイルは直接分岐できますが、この種類の操作は一般的に、ほとんどの目的に対して最善の方法ではありません。 このトピックで前に説明したように、ベスト プラクティスとして、分岐のみを分岐およびマージすることをお勧めします。

必要なアクセス許可

この手順を実行するには、ターゲット パスに対する [チェックアウト] アクセス許可と [マージ] アクセス許可が [許可] に設定されている必要があります。 詳細については、Microsoft Web サイトの「Team Foundation Server のアクセス許可」を参照してください。

フォルダーまたはファイルを分岐するには

  1. ソース管理エクスプローラーで分岐するフォルダーまたはファイルを右クリックし、[分岐] をクリックします。

    [分岐] ダイアログ ボックスが表示されます。

  2. [ターゲット] で、新しい分岐の名前と場所を変更します。

    [参照] をクリックしてターゲットを指定することもできます。

  3. [単位] ボックスの一覧で、次のオプションのいずれかをクリックします。

    • [最新バージョン] をクリックすると、バージョン コントロールの最新のバージョンに分岐が作成されます。

    • [変更セット] をクリックすると、[変更セット] ボックスに変更セット番号を指定できます。 または、省略記号 (...) をクリックして [変更セットの検索] ダイアログ ボックスを開きます。

      詳細については、「変更セットの検索」を参照してください。

    • [ラベル] をクリックすると、[ラベル] ボックスにラベル名を入力できます。 または、省略記号 (...) をクリックして [ラベルの検索] ダイアログ ボックスを開くこともできます。

      詳細については、「ラベルの一覧、検索、表示、編集、および削除」を参照してください。

    • [日付] をクリックした場合は、[日付] ボックスで日付を指定できます。

    • [ワークスペース バージョン] をクリックすると、[ワークスペース] ボックスに、コンピューターと Team Foundation Server ワークスペースを指定できます。

  4. (省略可能) [新しい分岐のためのローカル作業コピーを作成] チェック ボックスをオンにして、バージョン管理された項目のコピーをローカル ワークスペースに作成します。 ローカル コピーが不要で、多くの項目を選択してコンピューターにダウンロードすることを回避してパフォーマンスを向上させる場合は、このチェック ボックスをオフにします。

  5. (省略可能) ソース フォルダーとターゲット フォルダーの両方を分岐に変換する場合は、[ソース フォルダーとターゲット フォルダーを分岐に変換する] チェック ボックスをオンにします。 ターゲット フォルダーだけを分岐に変換する場合は、このチェック ボックスをオフにします。

  6. [OK] をクリックします。

    分岐が作成され、ソース管理エクスプローラーに表示されます。

    [新しい分岐のためのローカル作業コピーを作成] チェック ボックスをオンにして、指定したローカル フォルダーが現在のワークスペースにマップされていない場合は、[フォルダーの参照] ウィンドウが表示されます。

  7. (省略可能) フォルダーを参照するか [新しいフォルダーの作成] をクリックして、バージョン管理された項目に同期するフォルダーを指定し、次に [OK] をクリックします。

コマンド プロンプトでフォルダーまたはファイルを分岐するには

  • コマンド プロンプトで、「tf branch ItemSpec BranchName」と入力し、Enter キーを押します。

    ItemSpec は、分岐するファイルまたはフォルダーの名前に置き換えます。 BranchName は、作成する分岐の名前に置き換えます。

    詳細については、Microsoft Web サイトの「Branch コマンド」を参照してください。

参照

その他の技術情報

分岐とマージ (Team Explorer Everywhere)

ラベルを使用したファイルのスナップショット取得 (Team Explorer Everywhere)

ファイルおよびフォルダーのマージ (Team Explorer Everywhere)