.NET Framework 2.0 以降のホスト インターフェイス

更新 : 2007 年 11 月

ここでは、共通言語ランタイム (CLR: Common Language Runtime) をアプリケーションに統合するためにアンマネージ ホストが使用するインターフェイスについて説明します。この情報は、.NET Framework Version 2.0 以降に関連しています。これらのインターフェイスを使用すると、バージョン 1.0 および 1.1 を使用した場合に比べて、ホストがランタイムの多くの面を制御できるようになるので、CLR とホストの実行モデルをより緊密に統合できます。

.NET Framework Version 1 では、ホスト モデルを使用することで、アンマネージ ホストはプロセスへの CLR の読み込み、特定の設定の構成、およびイベント通知の受信を実行できました。ただし、通常はホストと CLR はそのプロセスで個別に実行されていました。.NET Framework Version 2.0 以降では新しい抽象層が提供され、現在 Win32 アセンブリの型によって提供されるリソースの多くをホストが提供できるようになりました。また、ホストによって構成できる機能セットも拡張されました。

このセクションの内容

• IActionOnCLREvent
  登録されたイベントのコールバックを実行するメソッドを提供します。

• IApartmentCallback
  アパートメント内でコールバックを行うためのメソッドを提供します。

• IAppDomainBinding
  ランタイム構成を設定するためのメソッドを提供します。

• ICatalogServices
  カタログ サービス用のメソッドを提供します (このインターフェイスは .NET Framework インフラストラクチャをサポートするものであり、コードから直接使用するためのものではありません)。

• ICLRAssemblyIdentityManager
  ホストと CLR 間のアセンブリについての通信をサポートするメソッドを提供します。

• ICLRAssemblyReferenceList
  CLR によって読み込まれているが、ホストによっては読み込まれていないアセンブリのリストを管理します。

• ICLRControl
  ホストが CLR のさまざまな面に対してアクセスおよび構成するためのメソッドを提供します。

• ICLRDebugManager
  ホストがタスク セットを識別子および表示名に関連付けられるようにするメソッドを提供します。

• ICLRErrorReportingManager
  ホストが、エラー レポート用にカスタム ヒープ ダンプを設定できるようにするメソッドを提供します。

• ICLRGCManager
  ホストが、CLR のガベージ コレクション システムとやり取りできるようにするメソッドを提供します。

• ICLRHostBindingPolicyManager
  ホストがアセンブリのポリシー情報の変更を評価および通信するためのメソッドを提供します。

• ICLRHostProtectionManager
  ホストが、部分的に信頼されているコードでの特定のマネージ クラス、メソッド、プロパティ、およびフィールドの実行をブロックできるようにします。

• ICLRIoCompletionManager
  指定した I/O 要求のステータスをホストが CLR に通知できるようにするコールバック メソッドを実装します。

• ICLRMemoryNotificationCallback
  ホストが、Win32 CreateMemoryResourceNotification 関数と同様のアプローチを使用してメモリ圧迫状況を報告できるようにします。

• ICLROnEventManager
  CLR のイベントのコールバックをホストが登録または登録解除できるようにするメソッドを提供します。

• ICLRPolicyManager
  イベントがエラーおよびタイムアウトになった場合に実行されるポリシー アクションをホストが指定できるメソッドを提供します。

• ICLRProbingAssemblyEnum
  ホストが、アセンブリの検索 ID を作成または認識しなくても、CLR 内部のアセンブリの ID 情報を使用して、その ID を取得できるようにするメソッドを提供します。

• ICLRReferenceAssemblyEnum
  ホストが、ファイルまたはストリームによって参照されるアセンブリ セットを、その ID を作成または認識しなくても、CLR 内部のアセンブリ ID データを使用して操作できるようにするメソッドを提供します。

• ICLRRuntimeHost
  ホスト コントロール インターフェイスを設定するための追加メソッドと共に ICorRuntimeHost に似た機能を提供します。

• ICLRSyncManager
  同期実装の状態で、ホストが要求されたタスクに関する情報を取得したり、デッドロック状態を検出したりできるようにするメソッドを提供します。

• ICLRTask
  ホストが CLR に対して要求を出したり、関連付けられているタスクについて CLR に通知を出したりできるようにするメソッドを提供します。

• ICLRTaskManager
  ホストが、CLR による新しいタスクの作成を明示的に要求したり、現在の実行タスクを取得したり、タスクの地理的な言語およびカルチャを設定したりできるメソッドを提供します。

• ICLRValidator
  移植可能な実行可能 (PE: Portable Executable) イメージの検証と検証エラーの報告を行うためのメソッドを提供します。

• ICorConfiguration
  CLR を構成するためのメソッドを提供します。

• ICorThreadpool
  スレッド プールにアクセスするためのメソッドを提供します。

• IDebuggerInfo
  デバッグ サービスの状態に関する情報を取得するためのメソッドを提供します。

• IDebuggerThreadControl
  デバッグ サービスによるスレッドのブロックおよびブロック解除についてホストに通知するメソッドを提供します。

• IGCHost
  ガベージ コレクション システムに関する情報を取得するためのメソッド、およびガベージ コレクションの一部の側面を制御するためのメソッドを提供します。

• IGCHostControl
  ガベージ コレクタが、仮想メモリの制限を変更することをホストに要求できるメソッドを提供します。

• IGCThreadControl
  本来はガベージ コレクションに対してブロックされるスレッドのスケジューリングに参加するためのメソッドを提供します。

• IHostAssemblyManager
  CLR またはホストが読み込むアセンブリ セットを、ホストが指定できるようにするメソッドを提供します。

• IHostAssemblyStore
  ホストが CLR とは無関係にアセンブリとモジュールを読み込むことができるようにするメソッドを提供します。

• IHostAutoEvent
  ホストによって実装された自動リセット イベントの表現を提供します。

• IHostControl
  アセンブリの読み込みを設定するメソッド、およびホストがサポートするホスト インターフェイスを判断するメソッドを提供します。

• IHostCrst
  ホストが表すスレッド処理のクリティカル セクションとして機能します。

• IHostGCManager
  CLR によって実装されているガベージ コレクション機構のイベントをホストに通知するメソッドを提供します。

• IHostIoCompletionManager
  CLR が、ホストが指定した I/O 完了ポートとやり取りできるようにするメソッドを提供します。

• IHostMAlloc
  CLR がホストを通じてヒープから詳細な割り当てを要求するためのメソッドを提供します。

• IHostManualEvent
  ホストの手動リセット イベントの表現の実装を提供します。

• IHostMemoryManager
  CLR が、標準の Win32 仮想メモリ関数を呼び出す代わりに、ホストを通じて仮想メモリ要求を行うためのメソッドを提供します。

• IHostPolicyManager
  中止、タイムアウト、またはエラーの場合に CLR が実行するアクションをホストに通知するメソッドを提供します。

• IHostSecurityContext
  ホストによって実装されているセキュリティ コンテキスト情報を CLR が保持できるようにします。

• IHostSecurityManager
  現在実行しているスレッドにアクセスし、そのセキュリティ コンテキストを制御できるようにするメソッドを提供します。

• IHostSemaphore
  ホストによって実装されたセマフォの表現を提供します。

• IHostSyncManager
  CLR が、Win32 同期関数を呼び出す代わりに、ホストを呼び出して同期プリミティブを作成するためのメソッドを提供します。

• IHostTask
  CLR がホストと通信してタスクを管理できるようにするメソッドを提供します。

• IHostTaskManager
  CLR が、標準のオペレーティング システムのスレッド処理またはファイバ関数の代わりに、ホストを通じてタスクを処理できるようにするメソッドを提供します。

• IHostThreadPoolManager
  CLR がスレッド プールを構成し、スレッド プールに作業項目のキューを配置するためのメソッドを提供します。

• IManagedObject
  マネージ オブジェクトを制御するためのメソッドを提供します。

• IObjectHandle
  間接参照から値渡しによるマーシャリング オブジェクトのラップを解除するためのメソッドを提供します。

• ITypeName
  型名情報を取得するためのメソッドを提供します。(このインターフェイスは .NET Framework インフラストラクチャをサポートするものであり、コードから直接使用するためのものではありません)。

• ITypeNameBuilder
  型名をビルドするためのメソッドを提供します。(このインターフェイスは .NET Framework インフラストラクチャをサポートするものであり、コードから直接使用するためのものではありません)。

• ITypeNameFactory
  型名を分解するためのメソッドを提供します。(このインターフェイスは .NET Framework インフラストラクチャをサポートするものであり、コードから直接使用するためのものではありません)。

• IValidator
  移植可能な実行可能 (PE: Portable Executable) イメージの検証と検証エラーの報告を行うためのメソッドを提供します。

関連するセクション

• .NET Framework 1.0 および 1.1 のホスト インターフェイス
  以前のバージョンの .NET Framework で提供されていたホスト インターフェイスについて記述するトピックを含みます。