ローカル コンピューターに Eclipse 対応 Team Foundation Server プラグインをインストールした場合は、Eclipse によってプロジェクト内の新しいリソースまたは変更されたリソースが自動的に検出され、それらのリソースは Eclipse 対応 Team Foundation Server プラグインによって保留中の変更のリストに追加されます。 ビルド処理の出力ファイルなどの他のリソースから派生したリソースは、通常、保留中の変更のリストには追加されません。 ただし、外部のビルド手順を実行する構成などの一部のビルド構成では、派生したことを Eclipse が認識しないリソースが作成される場合があります。 このようなリソースがバージョン管理の保留中の追加に含まれないように、2 つのフィルター セットを指定して、バージョン管理から除外する必要のあるリソースを判断できます。
無視するリソース: [ユーザー設定] ダイアログ ボックスのページ
.tpignore ファイル: Eclipse プロジェクトのルートにあるファイル
無視するリソース
Eclipse 3.0 では、[チーム] ユーザー設定カテゴリの下の [無視するリソース] ページで、無視するリソースを指定できます。 このページにはプロジェクト リソースに適用されるワイルドカード文字のリストが含まれており、これに一致するすべてのリソースは保留中の変更のリストに追加されません。 Eclipse 対応 Team Foundation Server プラグインではまずこのリストのテストが実行されるため、多くの場合は .tpignore ファイルの代わりにこのリストを使用できます。 ただし、他のチーム メンバーとはこれらのユーザー設定を簡単に共有できません。 各チーム メンバーは、ローカル コンピューター上で各 Eclipse ワークスペースの [無視するリソース] を構成する必要があります。 また、これらのユーザー設定はリソース パスの最後の部分、つまり、最後のファイルまたはディレクトリ名としか照合されません。 したがって、.tpignore ファイルを使用することをお勧めします。
無視するリソースを変更するには
[ウィンドウ] メニューの [ユーザー設定] をクリックします。
[ユーザー設定] ダイアログ ボックスが表示されます。
カテゴリの一覧で [チーム] ノードを展開し、[無視するリソース] をクリックします。
次の 1 つ以上のタスクを実行します。
[無視するパターン] の一覧に表示されているパターンを無視するには、パターンに対応するチェック ボックスをオンにします。
[無視するパターン] の一覧に表示されているパターンの無視を中止するには、パターンに対応するチェック ボックスをオフにします。
[無視するパターン] の一覧にパターンを追加するには、[パターンの追加] をクリックし、追加するパターンを指定します。
既定では、すべての新しいパターンのチェック ボックスはオンになっています。
[OK] をクリックして変更を保存します。
.tpignore ファイル
Eclipse プロジェクトのルート ディレクトリに .tpignore という名前のファイルを置くことができます。 Eclipse 対応 Team Foundation Server プラグインは Eclipse のリソースを調べるたびにチェックされます。 新しいリソースがファイル内のいずれかのパターンに一致する場合、そのリソースは保留中の変更のリストに追加されません。 リソースがどのパターンにも一致しない場合は、保留中の変更のリストに追加されます。 除外パターンに一致するファイルは Team Foundation Server のプラットフォーム間のコマンド ライン クライアントを使用して手動で追加できます。
.tpignore ファイルを変更する際は、Eclipse を再起動する必要はありません。 次のリソース イベントが発生すると、変更内容が有効になります。 バージョン管理から新しいバージョンのファイルが取得された場合も、このファイルに行われた変更がプラグインによって自動的に読み込まれます。
既定では、ピリオドで始まるファイルはパッケージ エクスプローラーに表示されないため、そのままでは Eclipse 以外のツールを使用して .tpignore ファイルを作成、変更、または削除する必要があります。 ピリオドで始まるファイルを表示するようにパッケージ エクスプローラーのフィルターを変更することもできます。 .tpignore ファイルを作成したら、それをバージョン管理に追加して、プラグインを使用する他の開発者がパターンを使用できるようにします。 ローカル コンピューターで使用するために .tpignore ファイルをバージョン管理に追加する必要はありません。 .tpignore ファイルの形式の詳細については、「.tpignore ファイルの形式」を参照してください。
検出されたリソースを Eclipse 対応 Team Foundation Server プラグインによって保留中の変更のリストに自動的に追加する処理を開始するには、追加するリソースに一致する .tpignore ファイル内の行を削除またはコメント化します。
一致の動作
.tpignore ファイル内のパターンは Java の正規表現です。 照合の際は、ファイル システムで大文字と小文字が区別されるオペレーティング システムでは大文字と小文字が区別され、ファイル システムで大文字と小文字が区別されないオペレーティング システムでは大文字と小文字は区別されません。
.tpignore ファイル内の正規表現に対する Eclipse リソース パスのディレクトリのテストを実行する際は、テストを実行する前に、プラグインによってパスの末尾に必ずスラッシュ (/) が付加されます。 このため、ディレクトリに一致する場合の正規表現がより簡単になります。 ファイルのリソース パスの末尾がスラッシュで終わることは決してありません。 リソース パスはすべてスラッシュで始まります。自分でパターンを作成する場合は、これを覚えておくことが重要です。
.tpignore ファイルの形式
.tpignore ファイルはテキスト ファイルです。 各行はコメント行またはパターン行です。 各パターン行には 1 つの Java 形式の正規表現が含まれています。 .tpignore ファイル内のいずれかのパターンに一致する、新しく検出された Eclipse リソースのパスは、保留中の変更のリストには追加されません。 .tpignore ファイルの正規表現を読み込む際、各行の先頭と末尾の空白は無視されます。
バッカスナウア記法 (BNF)
<.tpignore> ::= { <line> }
<line> ::= <comment-line> | <pattern-line> <EOL>
<comment-line> ::= "#" <ignored-text>
<pattern-line> ::= <java-regular-expression>
例
次のような .tpignore ファイルを使用できます。
# Lines that begin with #, like this one, are ignored.
.*/core
.*\.class
.*/[^/]+\.class
/some/path/README
/output/.*
/bin/
各行について説明します。
1 行目のコメントは無視されます。 .tpignore ファイルには 0 行以上のコメント行を記述できます。
2 行目は、/core、/bin/core、/some/long/path/core などの、"/core" という文字で終わるファイルの任意の Eclipse リソース パスに一致する正規表現を示しています。 "*" は "任意の文字の 0 回以上の繰り返しとの一致" を意味する正規表現構文です。この行の残りの部分は、一致するリテラル文字を指定しています。 リソース パスの式のリテラル部分 /core の後に他の文字が含まれているため、リソース /bin/core/main.c とは一致しません。 ディレクトリはすべてスラッシュで終わるため、この式はディレクトリとは一致しません。
3 行目は、".class" という文字で終わるファイルの任意の Eclipse リソース パスに一致する正規表現を示しています。 Java の正規表現構文ではピリオドに特別な意味があるため (任意の文字との一致)、拡張子のピリオドはエスケープする必要があります。 この式は /Program.class や /some/long/path/Program.class などの名前のファイルと一致します。 ディレクトリはすべてスラッシュで終わるため、この式はディレクトリとは一致しません。
4 行目は、パスの最後の部分のピリオドの前に最低 1 文字を含み、".class" という文字で終わるファイルの任意の Eclipse リソース パスに一致する正規表現を示しています。 3 行目と同様、拡張子のピリオドはエスケープする必要があります。 この式の構文 [^/] は、"スラッシュ以外のすべての文字のグループで、グループ内のすべての文字と一致する" という意味です。この式は /some/long/path/File.class とは一致しますが、/some/long/path/.class とは一致しません。 ディレクトリはすべてスラッシュで終わるため、この式はディレクトリとは一致しません。
5 行目は、特別な構文はありませんが、正規表現として評価される正規表現です。 これは単に、厳密に "/some/path/README" という名前の任意のファイルと一致します。 ディレクトリ リソース パスは常にスラッシュで終わるため、これはディレクトリ リソース "/some/path/README/" とは一致しません。
6 行目は、ディレクトリ リソース "/output/" およびその任意の子ファイルまたは子ディレクトリと一致する正規表現を示しています。 パターンでは末尾のスラッシュが必要であり、ファイル パスにはこれがないため、ファイル "/output" とは一致しません。
7 行目は、ディレクトリ リソース "/bin/" とだけ一致し、子とは一致しない正規表現を示しています。 ディレクトリ パスにしかない末尾のスラッシュが指定されているため、"/bin" というファイルとは一致しません。
参照
その他の技術情報
バージョン管理下へのファイルの配置 (Team Explorer Everywhere)