更新 : 2007 年 11 月
Visual Basic の統合開発環境 (IDE: Integrated Development Environment) には、使用できるキーワード、変数、およびメンバ (メソッド、プロパティ、イベント) の一覧を表示する機能があります。この機能は、コードを記述するときのキーストロークやエラーを減らすのに役立ちます。IDE には、コードの入力中に入力候補を表示する機能もあります。Visual Basic では、コード エディタでコードを入力しているときに、必要なすべての補助がその場で提供されます。
IntelliSense の機能
IntelliSense には、コーディング タスクを簡単にするためのさまざまな機能があります。これには、メンバの一覧、パラメータ ヒント、クイック ヒント、入力候補、構文ヒントのほか、Visual Basic 2008 で導入されたいくつかの新機能が含まれます。
メンバの一覧
コード エディタで型または名前空間の名前を入力すると、有効なすべてのメソッド、プロパティ、およびイベントの一覧がドロップダウン リストに表示され、選択できるようになります。次の図は、メソッド内に記述されたコードにリスト メンバが表示されている例を示しています。
メンバの一覧
一覧をスクロールすることも、メンバの最初の数文字を入力して一覧内のそのメンバにすばやく移動することもできます。Enter キーを押すと、そのメンバがコードに追加されます。詳細については、「メンバの一覧」を参照してください。
[パラメータ ヒント]
メソッドがパラメータを受け取る場合、Visual Basic では、パラメータの型、名前、必要なパラメータの数など、パラメータに関する情報が表示されます。関数がオーバーロードされている場合は、次の図のように、上向きの矢印と下向きの矢印が表示されます。これらの矢印を使用して、オーバーロードされたすべての関数をスクロールできます。
[パラメータ ヒント]
パラメータを入力すると、一覧では次のパラメータが太字のフォントで表示されます。詳細については、「[パラメータ ヒント]」を参照してください。
クイック ヒント
コード内の識別子の上にマウス ポインタを置くことで、その識別子の宣言全体を表示できます。次の図は、表示される [クイック ヒント] ボックスを示しています。詳細については、「クイック ヒント」を参照してください。
クイック ヒント
入力候補
IntelliSense では、入力中に単語を補完することができます。単語を入力するとき、他の単語と区別できるだけの文字数を入力した後で Alt + → キーまたは Ctrl + Sapce キーを押すと、入力候補が表示されます。たとえば、「Me.Button1.Te」と入力して一覧内の単語を絞り込み、Alt + → キーを押して入力候補を表示できます。詳細については、「入力候補」を参照してください。
次の図は、コード エディタでコードを入力するときに表示される入力候補一覧の例を示しています。
入力候補
Visual Basic 2008 の新機能
IntelliSense にはいくつかの新機能が追加されており、しばしば "IntelliSense Everywhere" と呼ばれます。その名前にふさわしく、IntelliSense Everywhere での IntelliSense リストの対象は、メンバにとどまりません。キーワード IntelliSense、式リスト、構文ヒント、およびローカル変数用の IntelliSense があります。
キーワード IntelliSense では、コンテキストに応じて使用可能キーワードの一覧が表示されます。ファイル レベルでは、Imports や Option などのキーワードに IntelliSense を使用できます。For や While など、構文に基づいてフィルタ処理をする宣言レベルのキーワードの一覧も表示されます。
式リストは、さまざまな式を入力するときに表示されます。たとえば、変数に値を代入するとき、等号を入力すると式リストが表示されます。
構文ヒントでは、ステートメントの構文に関する情報が表示されます。たとえば、Select キーワードを入力すると、使用する構文を示す Select Case <testExpression> が表示されます。
ローカル変数は、メソッド呼び出しの引数を入力するとメソッドの行の先頭に一覧表示されるほか、スコープ内の任意の式のコンテキストで表示されます。
このような IntelliSense の改良によって、ヘルプやオブジェクト ブラウザで構文を調べる必要がなくなり、コードを記述しやすくなりました。IntelliSense リストそのものに対する改良も行われています。
透明な一覧。IDE 内の参照する必要のあるコードが IntelliSense リストで覆われることがあります。Ctrl キーを押すと一覧が一時的に透明になり、一覧の下のコードを見ることができます。Ctrl キーを離すと、一覧は元の状態に戻ります。
一覧のフィルタ処理。一覧全体が表示されるのではなく、入力した文字で始まる単語だけが表示されます。たとえば、PrintDialog 用の変数を作成する場合に「Dim printDocument As New Print」と入力すると、"Print" というテキストで始まるメンバだけが一覧に表示されます。これにより、一覧から目的の項目をすばやく簡単に見つけることができます。一覧全体を表示する場合は、Ctrl + J キーを押します。入力を再開すると、一覧は再びフィルタ処理されるようになります。
やってみよう
IntelliSense を使用するには
[ファイル] メニューの [新規作成] をポイントし、[プロジェクト] をクリックします。
[新しいプロジェクト] ダイアログ ボックスが表示されます。
[Windows フォーム アプリケーション] をクリックし、[OK] をクリックします。
ツールボックスから Button コントロールをフォームにドラッグします。
ボタンをダブルクリックして、コード エディタで既定の Click イベント ハンドラを入力します。
「Me」と入力し、次にピリオドを入力します。
メンバの一覧が表示されます。
Ctrl キーを押すと、一覧が透明になります。次に Ctrl キーを離します。
文字「V」を入力します。一覧がフィルタ処理されて、"V" で始まるメンバだけが表示されます。
Ctrl + J キーを押すと、再び一覧全体が表示されます。
文字「i」を入力し、次に Ctrl + Space キーを押すと、コードに Visible という単語が挿入されます。
「= True」と入力してコードを完成させます。等号を入力したときと、単語「True」を入力したときに表示される IntelliSense に注目してください。
次の手順
次のレッスンでは、キーボードを使用した IDE のナビゲーションについて説明します。
次のレッスン : キーボード ショートカット : 「ショートカット キー : キーボードを使用した IDE の操作」