更新 : 2007 年 11 月
このレッスンでは、ユーザー インターフェイス (UI) とコントロールについて説明すると共に、コントロールを UI に追加する方法を説明します。
初期のパーソナル コンピュータでは、ユーザーは主にコマンド ラインを通じてプログラムと対話していました。プログラムは、起動してから一時停止して、ユーザーの入力を受け取ってから次の処理を実行していました。しかし現在使用されているプログラムのほとんどは、1 つ以上のウィンドウ内で実行されます。これらのウィンドウでは、ユーザーは、キーボードで入力したり、ボタンをクリックしたり、あらかじめ設定されたメニューから項目を選択したりして、プログラムとコミュニケーションをとることができます。つまりこれらのウィンドウには、ユーザーがプログラムと対話するためのインターフェイスがあります。これ以降のレッスンでは、Windows ベースの独自の UI を作成する方法を説明します。
フォームを使用する
フォームは、UI の基本的なビルド ブロックです。プログラムの各フォームは、ユーザーに表示されるウィンドウを表します。Visual Basic IDE (統合開発環境) での作業では、フォームはアプリケーションの UI をデザインするためのデザイナです。この概念は、ピクチャを描画するために Windows ペイントを使用するのとほとんど同じです。
コントロールは、デザイナで UI の外観を作成するために使用します。コントロールは、定義済みの外観と動作を持つオブジェクトです。たとえば、Button コントロールの外観と動作はプッシュ ボタンに似ています。クリックすると、ボタンが押し下げられたような状態の外観に変化します。
Visual Basic の各コントロールには、それぞれ固有の用途があります。たとえば、TextBox コントロールはテキストの入力に使用され、PictureBox コントロールはピクチャの表示に使用されます。Visual Basic には、50 以上のさまざまなコントロールが用意されています。また、ユーザー コントロールと呼ばれる独自のコントロールを作成することもできます。各種コントロールについては、以降のレッスンで詳しく説明します。
UI を設計するときは、コントロールをツールボックスからドラッグしてフォームにドロップし、コントロールの位置を決定して、好みの外観になるようコントロールのサイズを変更します。外観をさらに変更するには、[プロパティ] ウィンドウでフォームとコントロールのプロパティを設定します。たとえば、フォームとほとんどのコントロールには、背景色を設定するための BackColor プロパティがあります。
プロパティを使用すると、フォームやコントロールの動作も定義できます。たとえば、フォームの ShowInTaskbar プロパティは、プログラムの実行中にフォームを Windowsタスク バーに表示するかどうかを決定します。プロパティを使用することにより、UI の外観と動作をカスタマイズできます。
やってみよう
フォームのプロパティを変更するには
[ファイル] メニューの [新規作成] をポイントし、[プロジェクト] をクリックします。
[新しいプロジェクト] ダイアログ ボックスの [テンプレート] ペインで、[Windows アプリケーション] をクリックします。
[プロジェクト名] ボックスに「FirstForm」と入力し、[OK] をクリックします。
新しい Windows フォーム プロジェクトが作成されます。新しいフォームがメイン ウィンドウに表示され、Visual Basic IDE の右下端にある [プロパティ] ウィンドウに、そのフォームのプロパティが表示されます。
フォームをクリックして選択します。
[プロパティ] ウィンドウで、Text プロパティを「My First Form」に変更し、Enter キーを押します。
新しい値を入力すると、フォームの上端に表示されたテキストが変更されます。
[プロパティ] ウィンドウで、BackColor プロパティを別の色に変更します。これには、ドロップダウン リストから色を選択します。
BackColor プロパティは、特殊なインターフェイスを通じて変更できます。このインターフェイスによって、選択しようとする色を実際に確認でき、現在システムで使用されている色や Web 標準色、またはカスタムの色選択項目から選択できるようになります。また、[プロパティ] ウィンドウのボックスに色の名前 (Red など) を入力するだけでも変更できます。
フォームの他のプロパティを変更してみてください。準備ができたら、次の手順に進みます。
フォームへのコントロールの追加
この手順では、ツールボックス ウィンドウ (通常は Visual Basic IDE の左側に表示されます) でコントロールを選択し、それをフォームにドラッグすることによってフォームにコントロールを追加します。その後、そのコントロールのプロパティを調整します。
フォームにコントロールを追加するには
ツールボックスから、Button コントロール、TextBox コントロール、Label コントロール、CheckBox コントロールの順に、フォームにドラッグします。
Button コントロールをクリックしてフォーム上をドラッグし、位置を変更します。
他のコントロールの近くにコントロールをドラッグしたときに、ガイドラインがどのように表示されるかを確認してください。これらのガイドラインは、コントロールの正確な位置合わせに役立ちます。
UI が好みの外観になるまで、他のコントロールにもこのプロセスを繰り返します。
Button コントロールを選択し、右下隅のサイズ変更ハンドルをドラッグしてサイズを変更します。
しばらくの間、コントロールのプロパティを操作してみてください。フォーム上の各コントロールをクリックして選択し、[プロパティ] ウィンドウでそのコントロールのプロパティをいくつか変更します。Font、BackColor、ForeColor、Text などのプロパティを変更してみてください。詳細については、「詳細情報 : コントロールのレイアウトについて」を参照してください。
F5 キーを押してプログラムを実行します。先ほど追加したコントロールを含むウィンドウが表示されます。ボタンをクリックしたり、チェック ボックスをオンおよびオフにしたり、テキスト ボックスに入力したりできます。
次の手順
このレッスンでは、フォームを作成してコントロールを追加する方法を説明しました。また、[プロパティ] ウィンドウで、フォームとコントロールのプロパティを変更する方法も説明しました。以降のいくつかのレッスンでは、いくつかのコントロールについてより詳しく見ていきます。
次のレッスン : 「ユーザーとの対話 : ボタンを使用する」