更新 : 2011 年 3 月
Visual Studio Team Foundation Server の配置のデータは、当初格納されていた場所とは異なるサーバーまたはインスタンスに復元することができます。 たとえば、データ層サーバーをアップグレードする場合や元のサーバーのハードウェアに障害が発生した場合に、このような変更が必要になることがあります。 このシナリオで正常にデータを復元できるようにするためには、マークされたトランザクションをバックアップ方法の一部として構成する必要があります。 詳細については、「Team Foundation Server のバックアップ」を参照してください。
. 異なるサーバーにデータを復元するには、同じサーバーにデータを復元する場合に実行する手順とは異なる手順を実行する必要があります。 同じサーバーにデータを復元する方法の詳細については、「同じ場所へのデータの復元」を参照してください。 ハードウェア障害の後にシングルサーバー配置を復元する方法については、「Restore a Single Server Deployment to New Hardware」を参照してください。 配置に SharePoint 製品を使用する場合は、このトピックの手順で説明しているように、データベースをバックアップおよび復元するための追加手順を実行する必要があります。
注意
このトピックのいくつかの手順は、2010 年 9 月にリリースされた Team Foundation Server 用のパワー ツールのウィザードを使用して自動化できます。 これらのウィザードは、配置のバックアップおよび復元のためのプロセスの簡略化に役立ちます。 ただし、Visual Studio Lab Management のバックアップまたは復元には使用できません。SharePoint 製品または Microsoft Project Server のデータベースのバックアップまたは復元には使用しないでください。 詳細については、Microsoft Web サイトの「Team Foundation Server Power Tools September 2010 (Team Foundation Server パワー ツール (2010 年 9 月))」を参照してください。
異なるサーバーまたはインスタンスにデータを復元する場合に実行する手順は、Team Foundation Server のインストールおよび構成の方法によって異なります。 説明を簡単にするために、このトピックで紹介する手順は、次の図のような、中程度に複雑な配置の Team Foundation Server のデータベースのみに復元する場合を想定して、構成されています。
実際のトポロジがこの例と同じでなくても、このトピックの手順に従って問題ありませんが、手順を調整することが必要になる可能性があります。 たとえば、1 台の物理サーバーにすべてのコンポーネントがインストールされている配置では、Team Foundation Server を実行しているサーバー上ですべての手順を実行します。 もともとチーム プロジェクト コレクションのデータベースが、複数のサーバーに配置されていた場合は、指定したサーバー上で各データベースを復元するように手順を実行する必要があります。 前と同じ構成になるようにデータベースを復元する必要はありませんが、各データベースを復元する必要があります。また、SharePoint 製品、Microsoft Project Server、および SQL Server Reporting Services のデータベースがすべて、障害が発生したサーバーでホストされていた場合など、一部の状況では、これらのデータベースも復元する必要があります。 各サーバーに配置される可能性のあるコンポーネントの詳細については、次のトピックを参照してください。
このトピックの内容
Team Foundation のデータを異なるサーバーまたはインスタンスに復元するには、配置トポロジに必要な手順を、次の順序で実行する必要があります。
必要なアクセス許可
データのバックアップ
新しいハードウェアへの SQL Server のインストールと構成
Team Foundation Server で使用されるサービスの停止
データベースの復元
コンテンツ データベースの新しい場所への SharePoint 製品とテクノロジのリダイレクト
Reporting Services 構成マネージャーのデータベースの変更
Team Foundation Server のための新しい SQL Server またはインスタンスの準備
復元したデータベースの所有権の変更
リモートのコレクション データベースへの Team Foundation Server のリダイレクト
サービス アカウントの更新
復元したデータベースの場所の登録
Reporting Services と Analysis Services の構成
Team Foundation Server で使用されるサービスの再起動
クライアント コンピューターのデータ キャッシュの更新
必要なアクセス許可
この手順を実行するには、次のグループのメンバーであるか、次のアクセス許可が付与されている必要があります。
Team Foundation の管理コンソールを実行しているサーバーの Administrators セキュリティ グループのメンバー。
SQL Server System Administrator セキュリティ グループのメンバー、またはデータベースをホストする SQL Server のインスタンスで [SQL Server のバックアップの実行とメンテナンス プランの作成] のアクセス許可が [許可] に設定されている必要がある。
Team Foundation のデータベースおよび Analysis Services データベースの sysadmin セキュリティ グループのメンバー。
TFS_Warehouse データベースの承認ユーザー。
配置に SharePoint 製品を使用している場合は、SharePoint 製品のデータベースを復元するファームの Farm Administrators グループのメンバー。
これらのアクセス許可に加えて、Windows Server 2008、Windows Server 2008 R2、Windows Vista、または Windows 7 を実行しているコンピューターで次の要件を満たすことが必要になる場合があります。
コマンド ラインの手順を実行するには、昇格した特権のコマンド プロンプトを開くことが必要になる場合があります。その場合は、[スタート] ボタンをクリックし、[コマンド プロンプト] を右クリックして、[管理者として実行] をクリックします。
Internet Explorer を必要とする手順を実行するには、Internet Explorer を管理者として起動することが必要になる場合があります。その場合は、[スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム] をクリックします。次に、[Internet Explorer] を右クリックし、[管理者として実行] をクリックします。
Reporting Services のレポート マネージャー、レポート、または Web サイトにアクセスするには、これらのサイトを Internet Explorer の信頼済みサイトの一覧に追加するか、管理者として Internet Explorer を起動することが必要になる場合があります。
詳細については、Microsoft Web サイトの「ユーザー アカウント制御」を参照してください。
データのバックアップ
元の Team Foundation Server の配置からデータを復元するには、SQL Server データベースの完全なデータ バックアップが必要です。 データが暗号化されている場合は、暗号化キーおよびそのパスワードも必要です。
Team Foundation のデータをバックアップするには
詳細については、「Team Foundation Server のバックアップ」および「Reporting Services の暗号化キーのバックアップ」を参照してください。
重要
SQL Server Reporting Services を使用するように配置が構成されている場合に、これらのデータベースを異なるサーバーに復元するには、TFS_Warehouse データベースと TFS_Analysis データベースをバックアップする必要があります。 同じサーバーやインスタンスに復元する場合と異なり、単純にウェアハウスをビルドし直すことはできません。 Team Foundation のデータベースを復元するサーバーまたはインスタンスに SharePoint 製品のデータベースを移動する場合は、これらのデータベースもバックアップする必要があります。 これらのデータベースには、SharePoint 製品の管理データベース (SharePoint_AdminContent_ID) およびコンテンツ データベースおよび構成データベースが含まれます。
新しいハードウェアへの SQL Server のインストールと構成
Team Foundation のデータを復元するには、Team Foundation Server のデータベースの移動先となるコンピューターに SQL Server をインストールする必要があります。 インストールする SQL Server のバージョンは、データベースをホストしていた元のサーバーのバージョンと完全に一致する必要があります。 この要件には、サービス パックのレベル、照合順序の設定、および言語が含まれます。 完全に一致しない場合、データを復元できないか、データを復元できたとしても、Team Foundation Server が正しく動作しない可能性があります。
Team Foundation のデータを復元するための SQL Server のインストールと準備
新しい環境に SQL Server をインストールし、それが動作することを確認します。 または、既に一致するバージョンがインストールされているサーバーに SQL Server のインスタンスを作成します。
詳細については、「Team Foundation コンポーネントのインストール」を参照するか、Microsoft Web サイトから、Team Foundation のインストール ガイド (『Visual Studio 2010 用 Team Foundation インストール ガイド』) の最新版をダウンロードし、参照してください。このガイドには、SQL Server をマルチサーバー配置にインストールする方法に関するトピックが含まれています。 元の Team Foundation Server をインストールしたときと同じバージョンをインストールする必要があります。
Team Foundation Server で使用されるサービスの停止
データを復元するには、すべてのサーバーで Team Foundation Server が使用するすべてのサービスを停止する必要があります。 SharePoint 製品や Reporting Services など、オプションのコンポーネントをインストールしている場合は、これらのコンポーネントがインストールされているサーバーで各サービスを停止する必要があります。
Team Foundation Server で使用されるサービスを停止するには
Team Foundation のアプリケーション層サービスを実行するサーバーで、コマンド プロンプト ウィンドウを開き、Drive:\%programfiles%\Microsoft Team Foundation Server 2010\Tools ディレクトリに移動します。
次のコマンドを入力します。
TFSServiceControl quiesce
詳細については、「TFSServiceControl コマンド」を参照してください。
データベースの復元
サービスを停止したら、SQL Server に付属のツールを使用して、Team Foundation のデータを復元できます。
ヒント
データベースが同期のとれていない状態にならないように、すべてのデータベースを同じ時点の状態に復元する必要があります。 次のプロシージャでは、Team Foundation Server が使用するデータベースの同期を保証するため、マークされたトランザクションを使用することを前提にしています。 詳細については、「Team Foundation Server のバックアップ」を参照してください。 配置に SharePoint 製品を使用する場合は、配置内の製品のバージョンに関するガイダンスに従う必要があります。 詳細については、「バックアップと復旧 (SharePoint Server 2010)」、「ファームの保護と復元 (Office SharePoint Server 2007)」、または「Windows SharePoint Services 3.0 を保護および復元する」を参照してください。
[データベースの復元] ダイアログ ボックスを開くには
データベースを復元するサーバーにログオンします。
[スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム] をポイントします。次に、[Microsoft SQL Server 2008] をポイントし、[SQL Server Management Studio] をクリックします。
注意
データベースの復元方法の詳細については、Microsoft Web サイトの「SQL Server データベースの復元シナリオの実装」を参照してください。
[サーバーへの接続] ダイアログ ボックスが表示されます。
[サーバーの種類] ボックスの一覧で、[データベース エンジン] をクリックします。
[サーバー名] ボックスで、データ層サーバーおよびデータベース インスタンスの名前をクリックまたは入力し、[接続] をクリックします。
注意
SQL Server がクラスターにインストールされている場合、サーバー名はコンピューター名ではなくクラスターの名前です。
SQL Server Management Studio が開きます。
[データベース] ノードを展開して、Team Foundation のデータ層を構成するデータベースの一覧を表示します。
SQL Server をインストールおよび構成している各サーバーで、次に説明する「データベースを復元するには」の手順を次のデータベースに対して実行します。
Team Foundation Server のデータベースをホストしているサーバー:
TFS_Configuration
注意
このデータベース名には、TFS_ と Configuration の間に他の文字が含まれている場合があります。
TFS_CollectionName
注意
各チーム プロジェクト コレクションに独自のデータベースがあります。 たとえば、5 つのチーム プロジェクト コレクションがある場合、データベースも 5 つあります。各データベースは、チーム プロジェクト コレクションの名前によって区別できます。 これらのデータベースは、SQL Server の同じインスタンス、異なるインスタンス、または異なる物理サーバー上にある可能性があります。 各データベースをバックアップし、それぞれのデータベースを復元する必要があります。
TFS_Warehouse
注意
このデータベース名では、TFS_ と Warehouse の間に他の文字が含まれている場合があります。
Reporting Services を実行しているサーバーで、これが配置に構成されていて、そのデータベースを異なるサーバーに復元する必要がある場合:
ReportServer
注意
名前付きインスタンスを使用した場合、このデータベースの名前は、ReportServer$InstanceName になります。
ReportServerTempDB
注意
名前付きインスタンスを使用した場合、このデータベースの名前は、ReportServerTempDB$InstanceName になります。
SharePoint 製品を実行しているサーバーで、1 つ以上の SharePoint Web アプリケーションが配置に構成されていて、そのデータベースを異なるサーバーに復元する必要がある場合:
SharePoint 製品のコンテンツ データベース (WSS_Content)
注意
SharePoint 製品のデータが格納されるデータベースの名前は、インストールされている SharePoint 製品のバージョン、およびそれをインストールしたユーザーが名前をカスタマイズしたかどうかによって異なります。 さらに、SharePoint 製品が Team Foundation Server とは異なるサーバーにインストールされている場合、これらのデータベースは、データ層サーバーに存在しない可能性があります。 データベースが異なるサーバーに存在する場合、データベースのバックアップ、復元、および構成を Team Foundation Server とは別個に管理する必要があります。 ただし、同期エラーを防ぐため、データベースを保守する際は、両者に矛盾が生じないように注意する必要があります。
SharePoint 製品で使用するデータベースを復元するには、配置に使用するソフトウェアのバージョンのガイダンスに従う必要があります。 詳細については、「バックアップと復旧 (SharePoint Server 2010)」、「ファームの保護と復元 (Office SharePoint Server 2007)」、または「Windows SharePoint Services 3.0 を保護および復元する」を参照してください。
Microsoft Project Server を実行しているサーバーで、配置を Project Server に統合しており、そのデータベースを異なるサーバーに復元する必要がある場合:
- Project Server の配置が依存するデータベース。 詳細については、「Restore databases (Project Server 2007)(データベースを復元する (Project Server 2007))」または「データベースを復元する (Project Server 2010)」を参照してください。
SQL Server Analysis Services を実行しているサーバーで、これが配置に構成されていて、そのデータベースを異なるサーバーに復元する必要がある場合:
- TFS_Analysis
これらのデータベースの詳細については、「Team Foundation Server のバックアップについて」を参照してください。
データベースを復元するには
復元するデータベースを右クリックし、[タスク] をポイントします。次に、[復元] をポイントし、[データベース] をクリックします。
[データベースの復元] ダイアログ ボックスが表示されます。
[復元用のソース] で [デバイスから] をクリックし、省略記号ボタン ([…]) をクリックします。
[バックアップの指定] ダイアログ ボックスで、バックアップ ファイルの場所を指定し、[OK] をクリックします。
最初に完全バックアップを復元し、その後に差分バックアップ、さらにその後にトランザクション ログ バックアップを、作成された順に復元する必要があります。
[復元するバックアップ セットの選択] で、復元するバックアップ セットを指定します。
マークされたトランザクションのバックアップ セットを作成した場合は、完全バックアップ、差分バックアップ、およびトランザクション ログのデータベースを復元することを確認してください。 マークされたトランザクションの詳細については、「Team Foundation Server のバックアップ」を参照してください。
[ページの選択] ペインで、[オプション] をクリックし、[既存のデータベースを上書きする] チェック ボックスをオンにします。
[次のデータベース ファイルに復元] ボックスで、指定されているパスが現在のデータベースのパスと一致していることを確認します。
[復旧状態] で、次のいずれかの手順を実行します。
マークされたトランザクションを使用する場合は、[データベースは操作不可状態のままで、コミットされていないトランザクションはロールバックしない。 別のトランザクション ログは復元できます。 (RESTORE WITH RECOVERY)] をクリックします。
マークされたトランザクションを使用せず、追加のトランザクション ログを適用しない場合は、[データベースを使用可能な状態にする] をクリックします。
マークされたトランザクションを使用しないが、追加のトランザクション ログを適用する場合は、[データベースは操作不可能状態のまま] をクリックします。
[OK] をクリックします。
進行状況を示すアイコンが表示されます。
[SQL Server Management Studio] ダイアログ ボックスが表示され、復元が正常に行われたことが確認されたら、[OK] をクリックして [オブジェクト エクスプローラー] に戻ります。
マークされたトランザクションを使用する場合は、復元したデータベースを右クリックし、[タスク] をポイントします。次に、[復元] をポイントし、[トランザクション ログ] をクリックします。
[トランザクション ログの復元] ウィンドウが表示されます。
[全般] ページで、[データベース] 一覧の適切なデータベースが強調表示されていることを確認してください。
[復元するトランザクション ログの選択] の一覧で、復元するログの横のチェック ボックスをオンにします。
[復元先] で、[マークされたトランザクション] をクリックします。
[マークされたトランザクションの選択] ウィンドウが表示されます。
[復元を停止するマークされたトランザクションの選択] の一覧で、復元に使用するトランザクション マークの横のチェック ボックスをオンにして、[OK] をクリックします。
重要
データを正常に復元するために、すべてのデータベースについて同じ日付と時刻の同じトランザクション マークを使用する必要があります。
[トランザクション ログの復元] ウィンドウの [OK] をクリックします。
進行状況を示すアイコンが表示されます。
[SQL Server Management Studio] ダイアログ ボックスが表示され、復元が正常に行われたことが確認されたら、[OK] をクリックします。
詳細については、Microsoft Web サイトの「トランザクション ログ バックアップの適用」を参照してください。
注意
Reporting Services のデータベースを復元する場合は、暗号化キーも復元する必要があります。 詳細については、Microsoft Web サイトの「[暗号化キーの復元] (Reporting Services 構成)」を参照してください。
コンテンツ データベースの新しい場所への SharePoint 製品とテクノロジのリダイレクト
Team Foundation Server の配置で使用するように SharePoint 製品が構成されていない場合、または SharePoint 製品のデータベースを復元しない場合は、この手順を省略できます。
SharePoint 製品のコンテンツ データベース (WSS_Content) を復元したら、このデータベースの新しい場所に SharePoint 製品を実行しているサーバーをリダイレクトする必要があります。 このデータベースが動作できる状態でなければ、Team Foundation Server にそのデータベースの新しい場所を再構成することはできません。
新しいデータ層サーバーのコンテンツ データベースを使用するようにプロジェクト サイトをリダイレクトするには
SharePoint 製品をホストするサーバーにログオンし、これをリダイレクトして、新しいサーバー上のコンテンツ データベースが使用されるようにします。
詳細については、「新しいコンテンツ データベースを使用するための SharePoint 製品のリダイレクト」を参照してください。
Reporting Services 構成マネージャーのデータベースの変更
Team Foundation Server の配置で使用するようにレポート サーバーが構成されていない場合、またはレポート サーバーのデータベースを復元しない場合は、この手順をスキップできます。
SharePoint 製品を新しいコンテンツ データベースにリダイレクトしたら、Reporting Services をそのデータベース (ReportServer および ReportServer_TempDB) の新しい場所にリダイレクトする必要があります。 この手順を実行しない限り、レポートをチーム プロジェクトで使用することはできません。 これらのデータベースが動作できる状態でなければ、Team Foundation Server にそのデータベースの新しい場所を再構成することはできません。
新しいサーバーに接続するように Reporting Services をリダイレクトするには
Reporting Services をホストするサーバーにログオンし、これを新しいサーバー上のデータベースに接続するようにリダイレクトします。
詳細については、「異なるサーバーに接続するための Reporting Services のリダイレクト」を参照してください。
Team Foundation Server のための SQL Server の準備
復元したデータベースが正しく動作するには、TFSConfig PrepSQL コマンドを使用して、Team Foundation Server のデータベースをホストするように SQL Server を準備する必要があります。 このコマンドでは、新しいサーバーまたはインスタンスに TFSEXECROLE グループと TFSADMINROLE グループが作成されます。また、操作に必要なシステム メッセージが追加されます。
注意
Team Foundation Server のコマンド ライン ツールのアクセス権がない場合、Team Foundation Server をインストールすることでツールをインストールできます。 アプリケーション層サーバーとなるコンピューターにこれをインストールします。ただし、ソフトウェアのインストール後に表示される構成ウィザードはキャンセルします。
Team Foundation Server のデータベースをホストする SQL Server を準備するには
Team Foundation のアプリケーション層をホストするサーバーにログオンし、コマンド プロンプト ウィンドウを開き、Drive:\%programfiles%\Microsoft Team Foundation Server 2010\Tools ディレクトリに移動します。
次のコマンドを入力します。ServerName は Team Foundation Server のデータベースをホストする SQL Server のインスタンスの名前で、ServerName または ServerName\InstanceName の形式で指定します。
**TFSConfig PrepSQL /SQLInstance:**ServerName
Team Foundation Server のデータベースの復元先の新しいサーバーまたは新しいインスタンスごとに、この手順を繰り返します。
復元したデータベースの所有権の変更
復元したデータベースのデータベース所有者ログインを現在のユーザーに変更するには、TFSConfig Accounts ResetOwner コマンドを使用します。 次の手順を実行する前に、適切なユーザー アカウントでログオンしていることを確認してください。 たとえば、Team Foundation Server をインストールしたアカウントを使用できます。これはインストール ガイドでは TFSSETUP としています。 少なくとも、アカウントが Team Foundation Server の Team Foundation Administrators グループのメンバー、および SQL Server の sysadmin グループのメンバーである必要があります。
復元されたデータベースの所有権を現在のユーザーに変更するには
Team Foundation のアプリケーション層サーバーにログオンし、コマンド プロンプト ウィンドウを開き、Drive:\%programfiles%\Microsoft Team Foundation Server 2010\Tools ディレクトリに移動します。
次のコマンドを入力します。ServerName (ServerName または ServerName\InstanceName の形式) は、Team Foundation Server のデータベースをホストする SQL Server のインスタンスの名前で、DatabaseName は構成データベースの名前 (既定では TFS_Configuration) です。
**TFSConfig Accounts /ResetOwner /SQLInstance:**ServerName **/DatabaseName:**DatabaseName
このコマンド ラインにより、Team Foundation Server で使用するすべてのデータベースの所有権が変更されます。
リモートのコレクション データベースへの Team Foundation Server のリダイレクト
コレクション、Analysis Services、およびレポート機能のデータベースがすべて、構成データベースと同じサーバーおよびインスタンス上にある場合は、この手順をスキップできます。
構成データベースとは別のサーバーでホストされているコレクション データベースがある場合は、Team Foundation Server をそのデータベースにリダイレクトする必要があります。 また、名前付きインスタンスを使用している場合か、TFS_Analysis データベースまたは TFS_Warehouse データベースが、TFS_Configuration とは異なるサーバーでホストされている場合は、RemapDBs コマンドを実行する必要があります。
リモート データベースに Team Foundation Server をリダイレクトするには
Team Foundation のアプリケーション層サーバーにログオンし、コマンド プロンプト ウィンドウを開き、Drive:\%programfiles%\Microsoft Team Foundation Server 2010\Tools ディレクトリに移動します。
次のコマンドを入力します。ServerName は、Team Foundation Server の構成データベースをホストする SQL Server のインスタンスの名前で、TFS_Configuration は復元する Team Foundation Server の構成データベースの名前、ServerName2 はリモート コレクションをホストするサーバーの名前です。 ServerName パラメーターは、配置に構成されているサーバーと同じ数だけ指定できます。 ServerName は、ServerName または ServerName\InstanceName の形式で指定します。 既定インスタンスを使用していない場合は、インスタンス名を指定する必要があります。
**TFSConfig RemapDBs /DatabaseName:ServerName;**TFS_Configuration **/SQLInstances:**ServerName,ServerName2 **/AnalysisInstance:**ServerName2 **/AnalysisDatabaseName:**DatabaseName
注意
/SQLInstances には、Team Foundation Server のデータベースをホストする SQL Server のすべてのインスタンスを、コンマで区切って指定します。 詳細については、「RemapDBs コマンド」を参照してください。
すべてのサービス アカウントの更新
Team Foundation Server (TFSService) のサービス アカウントおよびデータ ソース アカウント (TFSReports) を更新する必要があります。 これらのアカウントが変更されていない場合でも、アカウントの ID と形式が確実に新しいサーバーに適した ID と形式になるように、情報を更新する必要があります。
注意
配置に複数のアプリケーション層サーバーがある場合、各サーバーのサービス アカウントを更新する必要があります。
サービス アカウントを更新するには
レポート サーバーでコンピューターの管理を開き、次のコンポーネントがまだ起動していない場合は起動します。
ReportServer または ReportServer$InstanceName (アプリケーション プール)
SQL Server Reporting Services (TFSINSTANCE)
アプリケーション層サーバーで、コマンド プロンプト ウィンドウを開き、Drive:\%programfiles%\Microsoft Team Foundation Server 2010\Tools ディレクトリに移動します。
コマンド プロンプトに次のコマンドを入力して、Team Foundation のサービス アカウントを追加します。DatabaseName は、構成データベースの名前 (既定では TFS_Configuration) です。
**TfsConfig Accounts /add /AccountType:ApplicationTier /account:**AccountName **/SQLInstance:**ServerName **/DatabaseName:**DatabaseName
このコマンドの使用方法の詳細については、「Accounts コマンド」を参照してください。
これらのリソースを配置に使用している場合は、Accounts コマンドを使用して、レポート サーバーにデータ ソース アカウントを追加し、Team Foundation Server Proxy にプロキシ アカウントを追加します。
アプリケーション層を復元しない場合の復元したデータベースの場所の登録
アプリケーション層も異なるサーバーに復元する場合は、この手順を省略できます。
サービス アカウント情報を更新したら、復元したデータベースの新しい場所に、アプリケーション層をリダイレクトする必要があります。
注意
配置に複数のアプリケーション層サーバーがある場合、各サーバーのデータベースの場所を登録する必要があります。
データベースの場所を登録するには
アプリケーション層サーバーで、コマンド プロンプト ウィンドウを開き、Drive:\%programfiles%\Microsoft Team Foundation Server 2010\Tools ディレクトリに移動します。
コマンド プロンプトに次のコマンドを入力します。DatabaseName は、構成データベースの名前 (既定では TFS_Configuration) です。
**TfsConfig registerDB /SQLInstance:**ServerName **/DatabaseName:**DatabaseName
このコマンドの使用方法の詳細については、「RegisterDB コマンド」を参照してください。
Reporting Services と Analysis Services の構成
配置の一部としてレポート サーバーを使用していない場合は、この手順を省略できます。 配置にレポート サーバーを使用している場合は、その場所に Team Foundation Server をリダイレクトし、ウェアハウスを再起動して、Analysis Services のデータベースを手動でビルドし直す必要があります。
注意
前のセクションの説明に従って TFS_Warehouse データベースおよび TFS_Analysis データベースを復元している場合でも、この手順を実行する必要があります。
Reporting Services と Analysis Services を構成するには
Team Foundation の管理コンソールを開きます。
ナビゲーション バーで [レポート] をクリックします。
[レポート] の [編集] をクリックします。
[オフラインに移行] 確認メッセージで、[OK] をクリックします。
[Reporting Services] ダイアログ ボックスが表示されます。
[レポート サーバーを使用する] チェック ボックスをオンにします。
[ウェアハウス] タブをクリックし、[サーバー] で、レポート サーバーの名前を入力またはクリックします。
[データベース] に、Team Foundation Server のウェアハウス データベースの名前を入力します。
既定では、このデータベースの名前は TFS_Warehouse です。
(省略可能) [テスト接続] をクリックして、指定したデータベースが有効であることを確認します。
[Analysis Services] タブをクリックします。
[サーバー] で、SQL Server Analysis Services を実行しているサーバーの名前を入力またはクリックします。
[データベース] に、Team Foundation Server の Analysis Services データベースの名前を入力します。
既定では、このデータベースの名前は TFS_Analysis です。
データベースの既定インスタンスを使用しない場合は、[既定以外のインスタンスを指定する] チェック ボックスをオンにして、インスタンスの名前を入力またはクリックします。
(省略可能) [テスト接続] をクリックして、指定したデータベースが有効であることを確認します。
[ユーザー名] と [パスワード] に、データ ソース アカウント (TFSReports) のアカウント名とパスワード (設定されている場合) を入力します。
[レポート] タブの [サーバー] 一覧で、レポート サーバーの名前を入力またはクリックして、[URL の設定] をクリックします。
[ユーザー名] と [パスワード] に、データ ソース アカウント (TFSReports) のアカウント名とパスワード (設定されている場合) を入力します。
[既定のパス] にレポートの格納先の相対パスを入力し、[OK] をクリックします。
管理コンソールで [ジョブの開始] をクリックして、レポートを再起動します。
コマンド プロンプト ウィンドウを開き、%ProgramFiles%\Microsoft Team Foundation Server 2010\Tools ディレクトリに移動します。
次のコマンドを入力して、Analysis Services のデータベースをビルドし直します。
TFSConfig RebuildWarehouse /AnalysisServices /ReportingDataSourcePassword:Password
Password は、Reporting Services (TFSReports) のデータ ソース アカウントのパスワードです。
コマンドが正常に完了するまで待ちます。
レポート サーバーで Internet Explorer を開き、アドレス バーに次の文字列を入力し、Enter キーを押します。
https://localhost:8080/VirtualDirectory/TeamFoundation/Administration/v3.0/WarehouseControlService.asmx
VirtualDirectory には、Team Foundation Server をインストールしたときに指定したインターネット インフォメーション サービス (IIS) の仮想ディレクトリを入力します。 既定では、このディレクトリ名は tfs です。
[WarehouseControlWebService] ページが表示されます。
注意
ウェアハウス コントロール Web サービスを使用できるように Microsoft Team Foundation Server アプリケーション プールが実行されている必要があります。
[GetProcessingStatus] をクリックし、[起動] をクリックします。
重要
サービスによってすべてのジョブについて値 Idle が返されます。これは、キューブが処理されていないことを示します。 別の値が返された場合は、すべてのジョブについて Idle が返されるまでこの手順を繰り返します。
[WarehouseControlWebService] ページで [ProcessAnalysisDatabase] をクリックし、[起動] をクリックします。
ブラウザー ウィンドウが開きます。 キューブの処理が正常に開始された場合はサービスから True が返されます。失敗したか、キューブが現在処理されている場合は False が返されます。
キューブの処理が完了したタイミングを判断するには、[WarehouseControlWebService] ページに戻って、[GetProcessingStatus] をクリックし、[起動] をクリックします。
GetProcessingStatus サービスによってすべてのジョブについて値 Idle が返されたら、処理は完了しています。
詳細については、「Team Foundation Server で使用するデータ ウェアハウスおよび Analysis Services キューブの手動処理」を参照してください。
アプリケーション層サーバーで、コンピューターの管理を開き、Visual Studio Team Foundation Background Job Agent を開始します。
Team Foundation Server で使用されるサービスの再起動
データを復元しても、サービスを再開しなければ、配置が稼働してユーザーに対して利用可能になることはありません。
Team Foundation Server で使用されるサービスを再起動するには
Team Foundation のアプリケーション層サービスを実行するサーバーで、コマンド プロンプト ウィンドウを開き、Drive:\%programfiles%\Microsoft Team Foundation Server 2010\Tools ディレクトリに移動します。
次のコマンドを入力します。
TFSServiceControl unquiesce
詳細については、「TFSServiceControl コマンド」を参照してください。
クライアント コンピューターのデータ キャッシュの更新
クライアント コンピューターのデータ キャッシュを更新するには
アプリケーション層サーバーにログオンし、ClientService Web サービスを使用して、作業項目の進捗管理に使用するキャッシュをクライアントに強制的に更新させます。
詳細については、「クライアント コンピューターのデータ キャッシュの更新」を参照してください。
参照
概念
その他の技術情報
Team Foundation Server のバックアップ
Managing Team Foundation Server
履歴の変更
日付 |
履歴 |
理由 |
---|---|---|
2011 年 3 月 |
Project Server と統合する配置についての詳細を追加。 |
SP1 機能変更 |
2010 年 10 月 |
ガイダンスを変更して、SharePoint 製品のベスト プラクティスを反映。 |
情報の拡充 |
2010 年 9 月 |
ウェアハウスの処理手順を更新し、Lab Management の復元方法に関するリンク情報を追加。 |
カスタマー フィードバック |