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カスタマイズされたプロセス テンプレートの更新

MSF (Microsoft Solutions Framework) プロセス テンプレートのバージョン 5.0 で提供されている新機能を利用する、また、以前の MSF プロセス テンプレートに対してカスタマイズした内容を新しいプロセス テンプレートに反映させるには、テンプレート ファイルを手動で更新する必要があります。 具体的には、使用する MSF プロセス テンプレート ファイルをコピーし、カスタマイズ内容を各ファイルに適用します。 最新の MSF プロセス テンプレートの詳細については、「プロセス テンプレートの選択」を参照してください。

注意

アプリケーション層サーバーを Visual Studio Team Foundation Server 2010 にアップグレードした後、プロセス テンプレート マネージャーで、既存のプロセス テンプレートとバージョン 5.0 の MSF プロセス テンプレートの両方を使用できます。 詳細については、「プロセス テンプレートのダウンロード」を参照してください。

このトピックで説明されているガイダンスは、プロセス テンプレート ファイルの手動更新作業に役立ちます。 更新作業が完了したら、カスタマイズ済みプロセス テンプレートを Team Foundation Server にアップロードできます。 プロセス テンプレートをアップロードするときは、チーム プロジェクトを作成できます。 チーム プロジェクトの作成方法、および、特定の機能を利用するために必要なリソースの作成方法については、「新しいチーム プロジェクトの開始」を参照してください。

手動更新を行う前に、「プロセス テンプレート ファイルの操作」および「カスタマイズの詳細手順」の情報を確認してください。

このトピックの内容

  • 手動更新を実行するためのヒント

  • セキュリティ グループおよび初期のアクセス許可

  • 製品領域、製品ライフサイクル、および製品フィールド マッピング

  • 作業項目トラッキング

  • ポータル上にあるドキュメント

  • レポート

  • バージョン コントロール

  • テスト、ビルド、およびラボの管理

  • プロセス テンプレート プラグイン ファイル内で定義されているルート タスク

手動更新を実行するためのヒント

  • ファイルをアップロードする必要があるので、ファイルまたはタスクを削除しないでください。ただし、ファイルの内容を理解しており、そのファイルが不要であることがわかっている場合は例外です。

  • カスタマイズした箇所を探すには、2 つのプロセス テンプレート上で定義されている比較用ファイルに基づいて比較処理を実行します。

  • すべてのプラグイン ファイルを対象にして dependency 要素を検索することにより、完了しようとしている他のタスクと依存関係にあるタスクを把握できます。

セキュリティ グループおよび初期のアクセス許可

Groups and Permissions フォルダーには GroupsandPermissions というプラグイン ファイルがあります。このファイルは、初期のセキュリティ グループとそのアクセス許可を構成するものです。 GroupsandPermissions プラグイン ファイル内で定義されている 3 つのセキュリティ グループの間には、次に示す依存関係が存在します。

  • Readers グループは、Build、Lab、VersionControl、workitems の各プラグイン ファイル内で参照されます。

  • Contributors グループは、Build、Lab、VersionControl、workitems の各プラグイン ファイル内で参照されます。 また、作業項目の種類に対する各定義ファイル内でも参照されます。 作業項目は、貢献者ロールを付与されているチーム メンバーにのみ割り当てることができます。

  • GroupsandPermissions プラグイン ファイル内で定義されている Builders グループは、Build、VersionControl、workitems の各プラグイン ファイル内で参照されます。

詳細については、「初期のグループ、メンバー、およびアクセス許可の構成」および「機能領域へのアクセスの制御」を参照してください。

製品領域、製品ライフサイクル、および製品フィールド マッピング

Classification フォルダーには Classification プラグイン ファイルがあります。このファイルは、チーム プロジェクトに対する初期の製品領域とイテレーションを構成するものです。 このフォルダーには FieldMapping ファイルもあります。このファイルは、Microsoft Project と Team Foundation の間のフィールド マッピングをカスタマイズするものです。

Classification フォルダー内のファイルを更新するときは、次の点に留意してください。

  • 製品ニーズに対応するために必要な製品領域を追加できます。 MSF プロセス テンプレート内では、製品領域 (StructureType=ProjectModelHierarchy) は定義されていません。

  • プロジェクト ライフサイクル構造 (StructureType=ProjectLifecycle) に変更を加えた場合、アジャイル プロセス テンプレートに対して定義されている一部の作業項目クエリとブックが機能しなくなる可能性があります。 特に、次に示すオブジェクトは、Classification プラグイン ファイル内で定義されている Iteration 1 を参照する、アジャイル プロセス テンプレート内に作成されています。

    • Iteration 1 フォルダーには、Iteration 1 パスを参照する作業項目クエリがあります。これらのクエリはそれぞれ、ActiveBugs.wiq、ActiveTasks.wiq、Iteration1Backlog.wiq、BugTriage.wiq、CompletedTasks.wiq、OpenIssues.wiq、OpenTestCases.wiq、OpenUserStories.wiq、ResolvedBugs.wiq、UserStoriesDelivered.wiq、および UserStoriesWithoutTestCases.wiq です。

      詳細については、「チーム クエリ (アジャイル)」を参照してください。

    • チーム プロジェクト ポータルにアップロードされるブックは、イテレーション固有クエリを参照します。

      詳細については、「ブック (アジャイル)」を参照してください。

  • 今まで使用していたプロセス テンプレートに加えた変更と同じ変更内容を入力することにより、FieldMapping ファイルを更新できます。 MSF プロセス テンプレートの最新バージョンでは、次の点が変更されています。

    • Mapping 要素に IfSummaryRefreshOnly 属性が追加されました。

    • HierarchyLinkTypeDependencyLinkTypeResourceNameSeparator の各要素が新規に追加されました。

    • HierarchyLinkTypeDependencyLinkTypeResourceNameSeparator の各要素が新規に追加されました。

    • ContextField 要素が削除されました。 この要素が FieldMapping ファイル内に存在している場合、無視されます。

      詳細については、「Microsoft Project のフィールド マッピング ファイル」を参照してください。

詳細については、「分類プラグインによる初期の区分およびイテレーションの定義」を参照してください。

作業項目トラッキング

WorkItem Tracking フォルダーには workitems プラグイン ファイルがあります。このファイルを使用して、作業項目の種類、リンクの種類、作業項目クエリ、カテゴリ、およびグローバル リストが定義されている各ファイルをアップロードします。 MSF プロセス テンプレートの最新バージョンでは、リンクの種類とカテゴリが追加されています。また、作業項目の種類の名前と定義が大幅に変更されています。さらに、新しいフィールド属性が追加されました。

WorkItem Tracking フォルダー内のファイルを更新するときは、次の点に留意してください。

  • TypeDefinitions サブフォルダーにある作業項目の種類の定義を更新することで、お客様固有のニーズを満たすことができます。 作業項目の種類の名前を変更すると、依存関係にある作業項目クエリが機能しなくなります。 作業項目の種類をカスタマイズする方法については、「プロセス テンプレートへの作業項目の種類定義の追加」を参照してください。

    MSF プロセス テンプレートで定義されている作業項目の種類の詳細については、「作業項目とワークフロー (アジャイル)」または「作業項目とワークフロー (CMMI)」を参照してください。

    人名格納用のカスタム フィールドを追加しており、かつ、人名を Active Directory またはワークグループと同期させる場合、型定義ファイル内の FIELD 要素に syncnamechanges 属性を追加できます。

    また、カスタム フィールドに reportingrefname 属性および reportingname 属性を追加できます。

    詳細については、「作業項目フィールドの追加および修正とレポート作成」を参照してください。

  • 依存関係を維持したまま、グローバル リストを追加できます。 グローバル リストは、作業項目の種類に対する定義ファイルに追加します。 MSF プロセス テンプレートではグローバル リストは定義されていません。 詳細については、「グローバル リストの定義」を参照してください。

  • カテゴリ ファイル内で定義されているカテゴリは、Microsoft テスト マネージャー で使用されます。 これらは変更しないでください。 プロジェクトのニーズに合わせて、カテゴリを追加定義できます。 詳細については、「カテゴリへの作業項目の種類のグループ化」を参照してください。

  • LinkTypes サブフォルダー、SharedSteps ファイル、および TestedBy ファイルの中で定義されているリンクの種類は、Microsoft テスト マネージャー で使用されます。 これらは変更しないでください。 プロジェクトのニーズに合わせて、リンクの種類を追加定義できます。 詳細については、「リンクの種類を使用して作業項目を関連付ける方法のカスタマイズ」を参照してください。

  • 作業項目クエリを追加定義して、Queries フォルダーに追加することができます。 既存クエリに変更を加えた場合、それらのクエリに依存するブックの機能に影響が及ぶ可能性があります。

    作業項目クエリでは、フォルダーにクエリを割り当てること、クエリ フォルダーにアクセス許可を割り当てること、および、イテレーション パスを参照するクエリを定義することができるようになりました。 詳細については、「プロセス テンプレートへの作業項目クエリの追加」を参照してください。

  • 作業項目インスタンスを定義し、各チーム プロジェクトに合わせてスタートアップ タスクまたは作業項目のセットを指定することができます。 MSF プロセス テンプレートでは作業項目インスタンスは定義されていません。 詳細については、「プロセス テンプレートへの作業項目インスタンスの追加」を参照してください。

WorkItem Tracking フォルダー内のすべての従属ファイルを更新したら、workitems プラグイン ファイル内で定義されているタスクを確認および更新してください。 次の作業を必ず実行してください。

  • LinkTypes フォルダーに追加した各リンク種類定義ファイルに対する LINKTYPE 要素を追加します。

  • TypeDefinitions フォルダーに追加した各定義ファイルに対する WORKITEMTYPE 要素を追加します。 詳細については、「プロセス テンプレートへの作業項目の種類定義の追加」を参照してください。

  • TypeDefinitions フォルダーから削除した各定義ファイルに対する WORKITEMTYPE 要素を削除します。

  • Queries フォルダーに追加した各作業項目クエリ (.wiq) ファイルに Query 要素を追加します。

  • Quieries フォルダーから削除した各 .wiq ファイルの Query 要素を削除します。

詳細については、「作業項目を追跡するためのオブジェクトの作業項目トラッキング プラグインによる定義およびカスタマイズ」を参照してください。

ポータル上にあるドキュメント

Windows SharePoint Services フォルダーには、一般的なドキュメント、プロセス ガイダンス ファイル、およびブックがあります。 Windows SharePoint Services フォルダー内のファイルを更新するときは、次の点に留意してください。

  • Windows SharePoint Services フォルダーには、必要なドキュメントを何個でも追加できます。 チーム プロジェクトが SharePoint サイトにプロビジョニングされると、チーム プロジェクトの Documents フォルダーからドキュメントにアクセスできるようになります。

  • MSF プロセス テンプレートで定義されているブックは、そのプロセス テンプレートで定義されている作業項目の種類、作業項目フィールド、リンクの種類、およびクエリに依存しています。 これらのオブジェクトに大きな変更を加えた場合、ブックの機能に影響が及ぶ可能性があります。

  • お客様独自のプロセス ガイダンス コンテンツを追加し、既存のプロセス ガイダンス ファイルを置き換えることができます。 既定のプロセス ガイダンス ファイルには、MSDN (Microsoft Developers Network) ライブラリで公開されているコンテンツへのハイパーリンクが含まれています。 たとえば、タスク作業項目に対するガイダンス ファイルには、次のように記述されています。

    <meta http-equiv="refresh" content="0;URL=https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=153646&clcid=0x409" >
    

    チーム プロジェクトに対する Documents/Process Guidance ノードで [タスク] をクリックすると、タスク作業項目の種類に関するプロセス ガイダンス トピックが開きます。 タスク作業項目フォームで 作業項目のプロセス ガイダンスへの表示 をクリックした場合も、同じ動作が発生します。

    作業項目のプロセス ガイダンスへの表示 (各作業項目フォームにあるプロセス ガイダンス アイコン) をクリックすると、Process Guidance/Supporting Files フォルダーからアップロードされた対応するファイルが開きます。 .htm ファイルを独自の HTML ファイルに置き換えることもできます。 フォルダーと .htm ファイルを Supporting Files フォルダーに追加することもできます。 詳細については、「プロセス テンプレートのプロジェクト ポータル プラグインの定義」を参照してください。

Windows SharePoint Services フォルダー内のすべての従属ファイルを更新したら、WssTasks プラグイン ファイル内で定義されているタスクを確認および更新してください。 次の作業を必ず実行してください。

  • Windows SharePoint Services フォルダーに追加した各ファイルに file 要素を追加します。

  • Windows SharePoint Services フォルダーから削除した各ファイルの file 要素を削除します。

  • ファイルの末尾にある activateFeatures セクションはそのままにしてください。 これは、ポータル ダッシュボード機能を有効にする際に必要になります。

詳細については、「プロセス テンプレートのプロジェクト ポータル プラグインの定義」を参照してください。

レポート

各 MSF プロセス テンプレートのレポートは、WorkItem Tracking フォルダーで定義されている作業項目の種類、作業項目フィールド、およびリンクの種類に依存しています。 チーム プロジェクトが Reporting Services にプロビジョニングされると、これらのレポートが SQL Server Reporting Services にアップロードされ、レポート マネージャーで表示されます。 これらのレポートは、データ ウェアハウス用の新しいスキーマに基づいています。 MSF プロセス テンプレートで定義されている既定のレポートの詳細については、「レポート (アジャイル)」または「レポート (CMMI)」を参照してください。

注意

チーム プロジェクトが作成されると、Microsoft Excel レポートがプロジェクト ポータルにアップロードされます。

プロセス テンプレートにレポートを追加したり、プロセス テンプレートからレポートを削除したりできます。 詳細については、「プロセス テンプレートへのレポートの追加」を参照してください。

バージョン コントロール

Version Control フォルダーには、VersionControl.xml というプラグイン ファイルが 1 つあります。 今まで使用していたプロセス テンプレートに加えたのと同じ変更内容を、このファイルに追加できます。 詳細については、「Team Foundation バージョン管理の初期構成の定義」を参照してください。

テスト、ビルド、およびラボの管理

MSF プロセス テンプレートの最新バージョンでは、3 つのフォルダー (Build、Test Management、および Lab) およびプラグイン ファイルが新規に追加されました。 これらのフォルダーにあるファイルを含めることにより、Team Foundation ビルド、Microsoft テスト マネージャー、および Visual Studio Lab Management の機能をそれぞれ利用できます。

次の依存関係に注意してください。

  • Build テンプレート ファイルの内訳は、既定のビルド定義ファイルおよびアップグレード ビルド定義ファイルです。 Team Foundation ビルド をアップグレードするとき、アップグレード ビルド プロセス テンプレートを使用することで、新しいビルド定義が現在のリリースのビルド定義に自動アップグレードされます。

  • Microsoft テスト マネージャー および Lab Management では、SharedSteps および TestCase という作業項目の種類、SharedSteps および TestedBy というリンクの種類、さらにカテゴリが必要です。

Build、Test Management、Lab の各フォルダーにあるファイルをカスタマイズする方法の詳細については、次のトピックを参照してください。

これらをプロセス テンプレートに含めない場合、それぞれのプラグイン ファイルに対するタスクのリストを実行するよう指定している group 要素および tasklist 要素を必ず削除してください。

注意

プラグインを削除する特別な理由がない限り、プロセス テンプレートで定義されているファイルはそのままにします。

プロセス テンプレート プラグイン ファイル内で定義されているルート タスク

プロセス テンプレートの更新作業における最後のステップは、ProcessTemplate プラグイン ファイル内で定義されている要素を確認および更新することです。 新しいチーム プロジェクト ウィザードでは、チーム プロジェクトを作成するときに、ProcessTemplate.xml ファイルで定義されているプラグイン セットを実行します。

プラグイン ファイルを削除したか、または、カスタム プラグイン ファイルを追加した場合以外は、ProcessTemplate プラグイン ファイルを修正する必要はありません。 詳細については、「プロセス テンプレート プラグイン ファイルを使用したルート タスクの定義」を参照してください。

参照

処理手順

プロセス テンプレートのダウンロード

プロセス テンプレートのアップロード

参照

FIELD (定義) 要素

概念

プロセス テンプレート ファイルの操作

その他の技術情報

アップグレードされたチーム プロジェクトの更新と新機能の利用

What's New in Customizing Process Templates for Visual Studio ALM

プロセス テンプレートのカスタマイズ