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方法: コマンド ラインからプロファイル データに階層相互作用データを追加する

階層の相互作用のプロファイルにより、1 つ以上のデータベースと通信する多階層アプリケーションの関数内での同期 ADO.NET 呼び出しの実行時間に関する追加情報が提供されます。 階層相互作用データは、いずれのプロファイル方法でも収集できます。

注意

階層相互作用データは、Visual Studio IDE でのみ表示できます。 VSPerfReport の使用による、ファイル ベースの階層相互作用レポートは利用できません。

VSPerfASPNETCmd による階層相互作用データの追加

VSPerfASPNETCmd コマンド ライン ツールを使用すると、ASP.NET Web アプリケーションのプロファイリングを簡単に行うことができます。 VSPerfCmd コマンド ライン ツールに比べて、オプションが削減され、環境変数を設定する必要がなく、コンピューターの再起動も必要ありません。 VSPerfASPNETCmd のこれらの特徴により、階層相互作用データの収集が非常に簡単になります。

VSPerfASPNETCmd を使用して収集したプロファイル データに階層相互作用を追加するには、コマンド ラインに /TIP オプションを追加します。 たとえば、サンプリング メソッドを使用して ASP.NET Web アプリケーションのアプリケーション統計情報を収集するときに階層相互作用データを含めるには、次のコマンド ラインを使用します。

vsperfaspnetcmd /tip https://localhost/MyWebApp

VSPerfASPNETCmd の詳細については、「VSPerfASPNETCmd を使用した迅速な Web サイト プロファイリング」を参照してください。

VSPerfCmd による階層相互作用データの追加

VSPerfASPNETCmd コマンド ライン ツールにより、プロファイリング ツールで使用できるすべての機能にアクセスできます。 VSPerfCmd を使用して収集したプロファイル データに階層相互作用を追加するには、VSPerfCLREnv ユーティリティを使用して、階層相互作用データを有効にする環境変数を設定および削除する必要があります。 データを収集するために指定するオプションと必要な手順は、プロファイリングを行うアプリケーションの種類によって異なります。

スタンドアロン アプリケーションのプロファイリング

別のプロセスによって実行されていないアプリケーション (SQLServer データベースに対して同期 ADO.NET 呼び出しを行う Windows デスクトップ アプリケーションなど) に階層相互作用データを追加するには、VSPerfClrEnv /InteractionOn オプションを使用して環境変数を設定し、VSPerfClrEnv /InteractionOff オプションを使用してそれらを削除します。

次の例では、サンプリング メソッドを使用して Windows デスクトップ アプリケーションに対してプロファイリングが行われ、階層相互作用データが収集されます。

Windows デスクトップ アプリケーションのプロファイリング例

  1. 管理者特権でコマンド プロンプト ウィンドウを開きます。 [スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム] をポイントし、[アクセサリ] をポイントします。 [コマンド プロンプト] を右クリックし、[管理者として実行] をクリックします。

  2. TIP 環境変数を初期化します。 次のコマンドを入力します。

    vsperfclrenv /interactionon
    
  3. プロファイラーを起動します。 次のコマンドを入力します。

    vsperfcmd /start:sample /output:Desktop_sample.vsp 
    
  4. VSPerfCmd を使用してアプリケーションを起動します。 次のコマンドを入力します。

    vsperfcmd /launch:DesktopApp.exe
    
  5. アプリケーションを実行してプロファイル データを収集し、通常どおりにアプリケーションを閉じます。

  6. TIP 環境変数を削除します。 次のコマンドを入力します。

    vsperfclrenv /off
    

詳細については、「スタンドアロン アプリケーションのコマンド ラインによるプロファイリング」を参照してください。

サービスのプロファイリング

ASP.NET アプリケーションなどのサービスに対してプロファイリングを行うには、VSPerfClrEnv /GlobalInteractionOn オプションを使用して環境変数を設定し、VSPerfClrEnv /GlobalInteractionOff オプションを使用してそれらを削除します。

ASP.NET Web アプリケーションなどのサービスに対してプロファイリングを行うときに、プロファイリングを有効にするためにコンピューターを再起動することが必要な場合がしばしばあります。 

次の例では、サンプリング メソッドを使用して Windows サービスに対してプロファイリングが行われ、階層相互作用データが収集されます。

Windows サービスのプロファイリング例

  1. インストールの必要なサービスがあればインストールします。

  2. 管理者特権でコマンド プロンプト ウィンドウを開きます。 [スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム] をポイントし、[アクセサリ] をポイントします。 [コマンド プロンプト] を右クリックし、[管理者として実行] をクリックします。

  3. .NET プロファイル環境変数を初期化します。 次のコマンドを入力します。

    vsperfclrenv /globalsampleon
    
  4. TIP 環境変数を初期化します。 次のコマンドを入力します。

    vsperfclrenv /globalinteractionon
    
  5. 環境変数を登録するためにコンピューターを再起動します。

  6. 管理者特権でコマンド プロンプト ウィンドウを開きます。

  7. プロファイラーを起動します。 次のコマンドを入力します。

    vsperfcmd /start:sample /output:MiddleTier_sample.vsp /user:SYSTEM /crosssession 
    
  8. 起動の必要なサービスがあれば起動します。

  9. プロファイラーをサービスにアタッチします。 次のコマンドを入力します。

    vsperfcmd /attach:MiddleTier.exe /output:MyService_sample.vsp /user:SYSTEM /crosssession 
    
  10. サービスを実行して、プロファイル データを収集します。

  11. プロファイラーを停止します。 次のコマンドを入力します。

    vsperfcmd /detach

  12. .NET と TIP のプロファイル環境変数を削除します。 次のコマンドを入力します。

    vsperfclrenv /globaloff
    
  13. 削除された環境変数を登録するためにコンピューターを再起動します。

詳細については、次のトピックを参照してください。

ASP.NET Web アプリケーションのコマンド ライン プロファイリング

サービスのコマンド ライン プロファイリング