チュートリアル: プロジェクト タスク リスト定義の配置

このチュートリアルでは、プロジェクト タスクを追跡するための SharePoint リスト定義を、Visual Studio 2010 を使用して作成、カスタマイズ、デバッグ、および配置する方法について説明します。

このチュートリアルでは、次の作業について説明します。

• タスクが含まれる SharePoint リスト定義プロジェクトの作成

• SharePoint フィーチャーへのリスト定義の追加

• リストへのイベント レシーバーの追加

• フィーチャーを配置する SharePoint パッケージの作成とカスタマイズ

• SharePoint ソリューションのビルドと配置

必須コンポーネント

このチュートリアルを実行するには、次のコンポーネントが必要です。

• サポート対象エディションの Microsoft Windows および SharePoint。 詳細については、「SharePoint ソリューションの開発要件」を参照してください。

• Visual Studio 2010 Professional または Visual Studio アプリケーション ライフサイクル管理 (ALM) のエディション

SharePoint リスト定義の作成

SharePoint リスト定義プロジェクトを作成して、そのリスト定義をタスクに関連付けます。

SharePoint リスト定義プロジェクトを作成するには

1. [新しいプロジェクト] ダイアログ ボックスを開き、[SharePoint] ノードを展開して、[2010] をクリックします。

2. [テンプレート] ペインで [ListDefinition] を選択し、プロジェクトに「ProjectTaskList」という名前を付けて、[OK] をクリックします。

   SharePoint カスタマイズ ウィザードが表示されます。

3. デバッグに使用するローカルの SharePoint サイトを入力して、[次へ] をクリックします。

4. リストの [表示名] に「Project Task List」と入力します。

5. [リスト定義の種類] ボックスの一覧の [タスク] をクリックし、[完了] をクリックします。

   ソリューション エクスプローラーに、リスト定義、リスト インスタンス、フィーチャー、およびパッケージが表示されます。

イベント レシーバーの追加

タスク リスト定義には、タスクの期限と説明を自動的に設定するイベント レシーバーを追加できます。 次の手順では、イベント レシーバーとして単純なイベント ハンドラーをリスト インスタンスに追加します。

イベント レシーバーを追加するには

1. プロジェクト ノードを右クリックし、[追加] をポイントして、[新しい項目] をクリックします。

2. SharePoint 2010 のテンプレート一覧から、[イベント レシーバー] を選択し、「ProjectTaskListEventReceiver」という名前を付けます。

   SharePoint カスタマイズ ウィザードが表示されます。

3. [イベント レシーバー設定の選択] ページで、イベント レシーバーの種類として [リスト項目イベント] を選択します。

4. [イベント ソース項目] を ProjectTaskList に設定します。

5. 処理するイベントの一覧で、[項目が追加されました] の横のチェック ボックスをオンにし、[完了] をクリックします。

   新しいイベント レシーバー ノードが、ProjectTaskListEventReceiver という名前のコード ファイルと共にプロジェクトに追加されます。

6. ProjectTaskListEventReceiver コード ファイルで、ItemAdded メソッドにコードを追加します。 新しいタスクが追加されるたびに、既定の期限および説明がタスクに追加されます。 既定の期限は 2009 年 7 月 1 日です。

   Public Overrides Sub ItemAdded(ByVal properties As SPItemEventProperties)
       MyBase.ItemAdded(properties)
       Dim web As SPWeb = properties.OpenWeb()
       properties.ListItem("Due Date") = "July 1, 2009"
       properties.ListItem("Description") = "This is a critical task."
       properties.ListItem.Update()
   End Sub
   

    public override void ItemAdded(SPItemEventProperties properties)
   {
       base.ItemAdded(properties);
       SPWeb web = properties.OpenWeb();
       properties.ListItem["Due Date"] = "July 1, 2009";
       properties.ListItem["Description"] = "This is a critical task.";
       properties.ListItem.Update(); 
   }  
   

プロジェクト タスク リスト フィーチャーのカスタマイズ

SharePoint ソリューションを作成すると、既定のプロジェクト項目のフィーチャーが自動的に作成されます。 SharePoint サイトのプロジェクト タスク リスト設定をカスタマイズするには、フィーチャー デザイナーを使用します。

プロジェクト タスク リスト フィーチャーをカスタマイズするには

1. ソリューション エクスプローラーで、[フィーチャー] を展開します。

2. [Feature1] をダブルクリックします。

3. [タイトル] フィールドに「Project Task List Feature」と入力します。

4. [スコープ] ドロップダウン メニューの [Web] を選択します。

5. [プロパティ] ウィンドウで、[バージョン] プロパティの値に「1.0.0.0」と入力します。

プロジェクト タスク リスト パッケージのカスタマイズ

SharePoint プロジェクトを作成すると、既定のプロジェクト項目を含んだフィーチャーが、Visual Studio によって自動的にパッケージへと追加されます。 SharePoint サイトのプロジェクト タスク リスト設定をカスタマイズするには、パッケージ デザイナーを使用します。

プロジェクト タスク リスト パッケージをカスタマイズするには

1. ソリューション エクスプローラーで、[パッケージ] をダブルクリックします。

2. [名前] フィールドに、「ProjectTaskListPackage」と入力します。

3. [Web サーバーのリセット] を選択します。

プロジェクト タスク リストのビルドとテスト

プロジェクトを実行すると、SharePoint サイトが開きます。 ただし、タスク リストの場所には手動で移動する必要があります。

プロジェクト タスク リストをテストするには

1. F5 キーを押して、プロジェクト タスク リストをビルドおよび配置します。

   SharePoint サイトが開きます。

2. [ホーム] をクリックします。

3. 左サイドバーで [ProjectTaskList - ListInstance1] をクリックします。

   [プロジェクト タスク リスト] ページが表示されます。

4. [リスト ツール] タブで、[項目] をクリックします。

5. [新しい項目] をクリックします。

6. [タスク] をクリックします。

7. [タイトル] ボックスに「Task1」と入力します。

8. [保存] をクリックします。

   サイトを更新すると、2009 年 7 月 1 日を期限とする Task1 というタスクが表示されます。

9. [Task1] をクリックします。

   タスクの詳細表示になり、"This is a critical task." という説明が表示されます。

プロジェクト タスク リストの配置

ビルドおよびテストが済んだプロジェクト タスク リストは、ローカル システムまたはリモート システムに配置できます。 ローカル システムはソリューションの開発に使用したコンピューターであり、リモート システムはそれとは別のコンピューターです。

プロジェクト タスク リストをローカル システムに配置するには

• [ビルド] メニューの [配置] をクリックします。

  Visual Studio によって IIS アプリケーション プールがリサイクルされ、ソリューションの既存のバージョンがすべて取り消され、ソリューション パッケージ (.wsp) ファイルが SharePoint にコピーされ、そのフィーチャーがアクティブ化されます。 これで、SharePoint でソリューションを使用する準備が整いました。 配置構成手順の詳細については、「方法: SharePoint の配置構成を編集する」を参照してください。

プロジェクト タスク リストをリモート システムに配置するには

1. [ビルド] メニューの [パッケージ] をクリックします。

   プロジェクトのバイナリ デバッグ フォルダー (…\<Project Name>\<Project Name>\bin\Debug) にソリューションの .wsp ファイルが作成されます。

2. .wsp ファイルをリモートの SharePoint システムにコピーします。

3. PowerShell の Add-SPUserSolution コマンドを使用して、リモートの SharePoint インストール環境にパッケージをインストールします (ファーム ソリューションの場合は Add-SPSolution コマンドを使用します)。

   たとえば、Add-SPUserSolution C:\MyProjects\ProjectTaskList\ProjectTaskList\bin\Debug\ProjectTaskList.wsp のようにします。

4. PowerShell の Install-SPUserSolution コマンドを使用して、ソリューションを配置します (ファーム ソリューションの場合は Install-SPSolution コマンドを使用します)。

   たとえば、Install-SPUserSolution –Identity ProjectTaskList.wsp –Site http://NewSiteName のようにします。

   リモート配置の詳細については、「ソリューションの使用」および「Adding and Deploying Solutions with PowerShell in SharePoint 2010 (SharePoint 2010 で PowerShell を使用してソリューションを追加および配置する)」を参照してください。

次の手順

SharePoint ソリューションのカスタマイズ方法と配置方法の詳細については、次のトピックを参照してください。

• チュートリアル: カスタムのフィールド、コンテンツ タイプ、リスト定義、およびリスト インスタンスの作成

• 方法: イベント レシーバーを作成する

• SharePoint Server 2010 向けの Windows PowerShell

参照

概念

SharePoint ソリューションのパッケージ化と配置