トラッカーが提供するもう 1 つの機能は、"ラバー バンド" 選択処理です。この機能を使用して、ユーザーはサイズ変更可能な四角形 (1 点を決めてドラッグすることによって広がる四角形) をドラッグして OLE アイテムを囲むことにより、複数の OLE アイテムを選択できます。 ユーザーが左ボタンを離すと境界内のアイテムが選択されて、以降のユーザー操作の対象になります。 たとえば、アイテムを選択し、ほかのコンテナー アプリケーションにドラッグできます。
この機能を実現するには、アプリケーションの WM_LBUTTONDOWN ハンドラー関数にいくつかのコードを加える必要があります。
次のコードは、ラバー バンド選択処理を実装しています。
else if (m_Tracker.HitTest(point) < 0)
{
// just to demonstrate CRectTracker::TrackRubberBand
CRectTracker trackerRubber;
if (trackerRubber.TrackRubberBand(this, point, TRUE))
{
MessageBeep(0); // beep indicates TRUE
// See if rubber band intersects
// with the doc's tracker
CRect rectT;
// so intersect rect works
trackerRubber.m_rect.NormalizeRect();
if (rectT.IntersectRect(trackerRubber.m_rect, m_Tracker.m_rect))
{
// If so, put resize handles on it (i.e. select it)
if (m_Tracker.m_nStyle & CRectTracker::resizeInside)
{
// swap from resize inside to resize outside for effect
m_Tracker.m_nStyle &= ~CRectTracker::resizeInside;
m_Tracker.m_nStyle |= CRectTracker::resizeOutside;
}
else
{
// Just use inside resize handles on first time
m_Tracker.m_nStyle &= ~CRectTracker::resizeOutside;
m_Tracker.m_nStyle |= CRectTracker::resizeInside;
}
GetDocument()->SetModifiedFlag();
GetDocument()->UpdateAllViews(NULL);
}
}
}
ラバー バンド処理中に選択領域を表す四角形の "裏返し" 操作を行うことができるようにするには、CRectTracker::TrackRubberBand の第 3 パラメーターを TRUE に設定します。 裏返し操作を許すと、CRectTracker::m_rect の座標値の大小関係が反転する可能性があります。 座標値を正常な組み合わせに直すには、CRect::NormalizeRect を呼び出します。
詳細については、「コンテナー : クライアント アイテム」および「ドラッグ アンド ドロップ : カスタマイズ」を参照してください。