このトピックでは、ReportViewer Web サーバー コントロールに表示される HTML レポート用のレポート アイテムの改ページおよび配置について説明します。この情報は、レポートの HTML 表示を理解する際に役立ちます。HTML 出力はレポートを実行するたびに再生成されます。組み込みの表示拡張機能によって、レポート アイテムの配置方法やスタイルなどの HTML 出力が決まります。組み込みの HTML 表示拡張機能はカスタマイズできません。HTML 表示拡張機能によって生成される HTML のタグ付けを変更したり、既存の書式要素を他の方法に置き換えたりすることはできません。
HTML のサポート
HTML 4.0 のレポートは、いくつかの例外を除き、HTML 4.0 および Cascading Style Sheets level 2 (CSS2) の仕様に準拠します。すべての HTML は、UTF-8 エンコードで生成されます。
[!メモ]
このトピックでは、レポートの要素について説明します。レポート要素はレポート定義言語 (RDL) の一部です。RDL では、レポート構造の正式な記述を提供します。RDL については、SQL Server 2005 オンライン ブックで説明されています。
アイテムの配置
HTML でレポートを出力するには、レポート アイテムの各セット内のアイテムが含まれるように、コントロールによって HTML でテーブルが作成されます。アイテムはレポートのレイアウトを保ってテーブル内に配置されます。レポート アイテムのセットに含まれるレポート アイテムが 1 つだけの場合、そのレポート アイテムはテーブルを使用せずに表示されます。すべての場所およびアイテムのサイズは、ミリメートル (mm) で表されます。0.2 mm に満たないサイズおよび位置については、0 mm として表示されます。
HTML では、アイテムを重ねて表示できません。レポート アイテムが別のアイテムと重なり合う場合、そのアイテムは重なり合わないように配置されます。これが原因で、ページに表示されるアイテムの位置がデザインしたときと異なることがあります。場合によっては、デザイン ツールでは重なり合わなかったアイテムが、実際には重なり合って表示されることがあります。レポート アイテムの実際の位置は、レポート アイテムのサイズおよび位置のプロパティによって示されます。表示拡張機能において、重なっているアイテムの位置を決定するための評価順は、アイテムの Top 要素の値、次に Left 要素の値、最後に ZIndex の値となります。
改ページ
HTML 表示拡張機能では、次のようにページを個別の HTML ページに分割して表示します。分割したページは "セクション" とも呼ばれます。
次のアイテムが改ページを備えた一覧の中に配置されるか直接レポート本文内に配置されると、改ページが行われます。
PageBreakAtEnd または PageBreakAtStart が True に設定されている四角形。
PageBreakAtEnd または PageBreakAtStart が True に設定されている一覧または一覧グループ。
PageBreakAtEnd または PageBreakAtStart が True に設定されているテーブルまたはテーブル グループ。テーブルには、少なくとも 1 つの表示可能な列が含まれている必要があります。テーブル グループのすべての親グループは、表示可能である必要があります。
PageBreakAtEnd または PageBreakAtStart が True に設定されているマトリックスまたは行グループ。
上記のいずれかのアイテムを使用しているサブレポート。
改ページを含むアイテムの前面に開始位置があるアイテムは、その改ページの直前のページに表示されます。
HTML 表示拡張機能では、上記の説明に従ってアイテムのすべての改ページを表示しようとします。ただし、改ページを備えた 2 つのアイテムがページ上で隣接している場合、予測できない結果が発生することがあります。また、改ページを備えたアイテムがテーブル、マトリックス、または四角形内に含まれている場合も同様です。
改ページ付きのアイテムに隣接するアイテムは、アイテムの最上部が改ページ付きのアイテムの最下部より上にある場合、すべて同じページに表示されます。たとえば、最下部に改ページを含むテーブルのすぐ右に配置されたテキスト ボックスは、テーブルと同じページに表示されます。同じ右側でも、テーブルの最下部より下に配置されたテキスト ボックスは、次のページに表示されます。
HTML 表示拡張機能では、レポートのプロパティで定義されている、ページのおおよその高さに改ページを挿入します。これは主に、改ページを含まない大きいレポートを表示する際に、生成される HTML ページが過度に大きくなることを防止するための機能です。
スタイル
スタイル要素は、HTML 4.0 では CSS スタイルとして表示されます。HTML 4.0 の場合、レポート アイテムごとに 1 つの CSS スタイルが表示されます。スタイルの名前は、レポートとサブレポート全体で一意です。次の表では、RDL スタイル属性が HTML スタイルにマップされる方法について説明します。
RDL スタイル | 説明 | HTML 4.0 |
---|---|---|
BorderColor |
罫線の色 |
border |
BorderStyle |
罫線のスタイル |
border |
BorderWidth |
罫線の幅 |
border |
BackgroundColor |
背景の色 |
background-color |
BackgroundImage |
背景画像の URL |
background-image |
BackgroundRepeat |
背景画像の繰り返しパターン |
background-repeat |
FontStyle |
フォントのスタイル (標準、斜体) |
font-style |
FontSize |
フォントのサイズ |
font-family |
FontWeight |
テキストの太さ |
font-weight |
TextDecoration |
テキストの装飾 (下線、取り消し線) |
text-decoration |
TextAlign |
テキストの水平方向の配置 |
text-align |
VerticalAlign |
テキストの垂直方向の配置 |
vertical-align |
Color |
テキストの色 |
color |
PaddingLeft |
左罫線とテキスト間の余白のサイズ |
padding-left |
PaddingRight |
右罫線とテキスト間の余白のサイズ |
padding-right |
PaddingTop |
上罫線とテキスト間の余白のサイズ |
padding-top |
PaddingBottom |
下罫線とテキスト間の余白のサイズ |
padding-bottom |
LineHeight |
テキストの行の高さ |
Line-height |
Direction |
右から左、または左から右 |
DIR 属性 |
Language |
テキストの言語 |
LANG 属性 |
UnicodeBiDi |
双方向アルゴリズムの上書き |
unicode-bidi |
[!メモ]
Double という罫線スタイルを適用した罫線および 2 pt 未満の罫線幅は、HTML 表示拡張機能により 1 行で表示されます。Double という罫線スタイルを適用した罫線を 2 行とも表示するには、少なくとも 2 pt の罫線幅が必要です。
参照
概念
リモート処理用の ReportViewer の構成
クライアント レポート定義 (.rdlc) ファイルの作成
ReportViewer Web サーバーおよび Windows フォーム コントロール