LINQ クエリ ビジュアライザのサンプル

更新 : 2007 年 11 月

クエリ ビジュアライザは、Visual Studio デバッグ セッションで使用してデータベース クエリを視覚化するアセンブリです。プロジェクト自体はライブラリに過ぎず、実行することはできません。コンパイルするとライブラリ (DLL) が生成され、これを Visual Studio で使用することで、LINQ to SQL アプリケーションをデバッグする機能が強化されます。

メモ :
ビジュアライザを使用してアプリケーションをデバッグする場合は、接続文字列に Persist Security Info=true を追加する必要がある場合があります。デバッガがアクティブ化されると、デバッグされるプログラムの情報がシリアル化され、ビジュアライザを表示するプロセスに送られます。シリアル化される情報の 1 つが、SqlConnection オブジェクトから取得される接続文字列です。既定では、SqlConnection オブジェクトはパスワードを返しません。そのため、パスワードのない接続文字列がシリアル化され、ビジュアライザに送られます。ビジュアライザでクエリを実行すると、パスワードがないために失敗することがあります。この設定は、デバッグ時のみ使用します。稼働環境でこの設定を使用することはお勧めできません。

サンプルとそのインストール手順を取得するには

• 次のいずれかを実行します。

  • [ヘルプ] メニューの [サンプル] をクリックします。

    サンプルの情報を示す Readme が表示されます。

  • Visual Studio 2008 のサンプルの Web サイトにアクセスします。ここには、サンプルの最新版が掲載されています。

  • Visual Studio をインストールしたコンピュータで、サンプルを検索します。既定では、サンプルおよび Readme ファイルは drive:\Program Files\Microsoft Visual Studio 9.0\Samples\lcid にインストールされています。Visual Studio の Express Edition については、すべてのサンプルがオンラインで提供されています。

詳細については、「サンプル ファイルの格納場所」を参照してください。

セキュリティに関するメモ :
このサンプル コードは概念を示すためのものであり、その概念に関連するコードのみを示しています。特定の環境について必ずしもセキュリティ要件を満たしていませんので、そのまま使用しないでください。セキュリティおよびエラー処理コードを追加して、プロジェクトをより安全かつ堅牢にすることをお勧めします。これらのサンプル コードは、現状有姿のままで提供されるものであり、一切保証されていません。

このサンプルを実行するには

1. Query Visualizer プロジェクトを開き、ビルドします。

2. コンパイルによって生成された DLL を、プロジェクトの bin ディレクトリから Visualizers ディレクトリにコピーします。コピー先のディレクトリは、既定では C:\Users\UserName\Documents\Visual Studio 2008\Visualizers になります。必要に応じて Visualizers ディレクトリを作成します。Windows XP 以前のバージョンでは、Documents ディレクトリではなく My Documents ディレクトリを使用します。アクセス許可がある場合は、...\Program Files\Microsoft Visual Studio 9.0\Common7\Packages\Debugger\Visualizers ディレクトリにファイルをコピーすることもできます。

3. 必要に応じて、Visual Studio を終了および再起動して、ビジュアライザが認識されるようにします。

4. SampleQueries など、既存のサンプル プロジェクトでビジュアライザをテストするか、新しいコンソール アプリケーションを作成し、そのアプリケーションでビジュアライザをテストします。新しいアプリケーションを作成するには、次の手順を実行します。

   1. 既定のコンソール アプリケーションを作成します。

   2. オブジェクト リレーショナル デザイナを使用して、samples ディレクトリにある Northwind データベースにアタッチします。

   3. [新しい項目の追加] ダイアログ ボックス (Ctrl + Shift + A) を開き、[LINQ to SQL クラス] をクリックします。

   4. Ctrl キーを押しながら W キーを押し、L キーを押して、サーバー エクスプローラを開きます。

   5. サーバー エクスプローラで、[データベースへの接続] をクリックします。必要に応じて、[データ ソース] として [Microsoft SQL Server データベース ファイル] を選択します。サンプルに含まれている Data ディレクトリ内の Northwind.mdb データベースを参照します。

   6. Customers テーブルをデザイナ画面にドラッグします。

   7. 次のような単純なクエリを作成し、呼び出します。

      public void SimpleQuery()
      {
          DataClasses1DataContext db = new DataClasses1DataContext();
          var query = from c in db.Customers
                      select c;
          foreach (var item in query)
              Console.WriteLine(item.CompanyName);
      }
      

   8. foreach 行にブレークポイントを設定し、そこまで実行します。

   9. 変数名クエリの上にマウス ポインタを置き、表示される虫眼鏡アイコンをクリックします。

使用例

クエリ ビジュアライザは、デバッガ内で実行できる便利なユーティリティです。

メモ :
多くの LINQ サンプルでは、データのサンプル内にある XML ファイルや Northwind サンプル データベースのバージョンが必要です。Data サンプルが他の LINQ サンプルと同じ親フォルダにインストールされている場合、XML ファイルとデータベース ファイルのパスは自動的に解決されます。多くのサンプル ファイルでは、オブジェクト ダンパのサンプル プロジェクトも必要です。

参照

その他の技術情報

LINQ C# のサンプル

はじめに (LINQ to XML)