LINQ to Entities によって、LINQ 式と LINQ 標準クエリ演算子を使用し、エンティティ データ モデル (EDM) オブジェクト コンテキストに対する厳密に型指定されたクエリを柔軟に作成できます。これにより、ユーザーは開発環境で Transact-SQL に似た構文を使用して、厳密に型指定された、構成可能なクエリを直接作成することができます。このクエリはアプリケーション コードに文字列リテラルとして記述するのではなく、プログラミング言語そのもので表現されます。これは、Microsoft .NET Framework Version 2.0 で通常作成されるアプリケーションと同じです。構文エラーに加え、メンバ名やデータ型のエラーもコンパイラにより検出され、コンパイル時に報告されます。これによって、EDM モデルとアプリケーション間の型に関する問題の発生を最小限に抑えられます。
アプリケーションで EDM が使用される際には、概念データ モデルと基になるデータ ソースの間のマッピングが自動的に処理されます。基になるデータ ソースに関する情報や、データ ソースにクエリを実行する特定のメソッドに関する情報がなくても、LINQ to Entities アプリケーションを作成できます。また、データベース固有の情報はほとんど Object Services により処理されるため、バックエンドのデータ ソースを変更してもクライアント アプリケーションを変更する必要がありません。詳細については、「Object Services の概要 (Entity Framework)」を参照してください。
LINQ to Entities クエリでは Object Services インフラストラクチャが使用されます。ObjectContext クラスは、CLR オブジェクトとして EDM と対話する際に使用される主要なクラスです。ObjectContext を使用して、ObjectQuery インスタンスを作成します。ObjectQuery ジェネリック クラスは、型指定されたエンティティのインスタンスまたはコレクションを返すクエリを表します。ObjectQuery によって返されたエンティティ オブジェクトはオブジェクト コンテキストによって追跡されます。これは SaveChanges メソッドを使用して更新することができます。