UI オートメーション Value コントロールパターンの実装

2011-08-09

メモ
このドキュメントは、System.Windows.Automation 名前空間で定義されているマネージ UI Automation クラスを使用する .NET Framework 開発者を対象としています。UI Automationに関する最新情報については、「Windows Automation API: UI Automation (Windows オートメーション API: UI オートメーション)」を参照してください。

ここでは、イベントやプロパティに関する情報など、IValueProvider を実装するガイドラインと規則について説明します。追加参照へのリンクはトピックの最後に示します。

ValuePattern コントロールパターンを使用して、1 つの範囲に広がらず、文字列として表すことができる固有の値を持つコントロールをサポートします。この文字列は、コントロールと設定に応じて、編集できます。このパターンを実装するコントロールの例については、「UI オートメーションクライアントのコントロールパターンマッピング」を参照してください。

このトピックは、次のセクションで構成されています。

実装のガイドラインと規則
IValueProvider の必須メンバー
例外
関連トピック

実装のガイドラインと規則

Value コントロールパターンを実装する場合は、次のガイドラインと規則に注意してください。

コントロールの現在の編集モードとは関係なく、項目のいずれかの値が編集可能な場合、ListItem や TreeItem などのコントロールは、ValuePattern をサポートする必要があります。子項目が編集可能な場合、親コントロールも ValuePattern をサポートする必要があります。

編集可能なリスト項目の例

編集可能なリスト項目。

単一行エディットコントロールは、IValueProvider を実装することにより、プログラムによる要素へのアクセスをサポートします。一方、複数行エディットコントロールは、IValueProvider を実装せず、代わりに ITextProvider を実装することによって内容へのアクセスを提供します。
複数行エディットコントロールのテキストコンテンツを取得するには、コントロールは ITextProvider を実装する必要があります。ただし、ITextProvider はコントロールの値の設定をサポートしていません。
IValueProvider は、書式設定情報や部分文字列値の取得をサポートしていません。これらのシナリオでは、ITextProvider を実装してください。
カラー値 ("黄" など) と等価の内部 RGB 構造体との間での文字列マッピングをサポートする Microsoft Word の [色の作成] 選択コントロール (次の図を参照) などのコントロールで、IValueProvider を実装する必要があります。

色見本の文字列のマッピング例

黄色が強調表示されたカラーピッカー。

コントロールは、SetValue への呼び出しを許可する前に、自身の IsEnabledProperty を true、IsReadOnlyProperty を false に設定する必要があります。

IValueProvider の必須メンバー

次のプロパティとメソッドは、IValueProvider の実装時に必要です。

必須メンバー	メンバー型	説明
IsReadOnlyProperty	プロパティ	なし
ValueProperty	プロパティ	なし
SetValue	メソッド	なし

例外

プロバイダーは次の例外をスローする必要があります。

例外の種類	状態
InvalidOperationException	SetValue ロケール固有の情報が不適切な形式でコントロールに渡された (不適切に書式設定された日付など)。
ArgumentException	SetValue 文字列を、コントロールが認識する形式の新しい値に変換できない。
ElementNotEnabledException	SetValue 有効でないコントロールを操作しようとした。

InvalidOperationException

SetValue