テキスト ファイルを使用した追跡

このトピックの内容は、Windows Workflow Foundation 4 に該当します。

このサンプルでは、カスタムの追跡参加要素を作成して Windows Workflow Foundation (WF) で追跡を拡張する方法を示します。追跡参加要素は、出力された追跡レコードをランタイムから受け取る .NET Framework クラスです。追跡参加要素を作成して、シナリオに必要な出力先に追跡イベントを転送することができます。たとえば、ETW (Event Tracing for Windows) 追跡参加要素は、.NET Framework の一部として提供されています。このサンプルの追跡参加要素は、レコードを XML 形式でテキスト ファイルに書き込みます。

サンプルの詳細

追跡参加要素の有用性と信頼性を最適化するには、いくつかの追加手順を完了して追跡参加要素をランタイムに適切に接続する必要があります。ベスト プラクティスに準拠する追跡参加要素を作成するためにこのサンプルで使用するクラスを次の表に示します。

動作拡張要素の構成

.NET Framework 構成ファイルを使用して前に記述した動作拡張要素を利用するには、もう 1 つの手順が必要です。拡張機能を使用する構成ファイルに次の構成を挿入する必要があります。

<system.serviceModel>
    <extensions>
      <behaviorExtensions>
        <add name="textFileTracking" type="Microsoft.Samples.TextFileTracking.TextFileTrackingExtensionElement, WFStockPriceApplication, Version=1.0.0.0, Culture=neutral, PublicKeyToken=null" />
      </behaviorExtensions>
    </extensions>
…
  </system.serviceModel>

注 :
動作拡張要素の構成の詳細な使用例については、サンプルの Web.config ファイルを参照してください。

カスタム追跡レコード

GetStockPrices.cs ファイルでは、CodeActivity 内からカスタム追跡レコードを作成する方法を示します。サンプルの実行時にこのレコードを調べてください。

このサンプルを使用するには

1. Visual Studio 2010 を使用して、WFStockPriceApplication.sln ソリューション ファイルを開きます。

2. ソリューションをビルドするには、F6 キーを押します。

3. ソリューションを実行するには、Ctrl キーを押しながら F5 キーを押します。

   ブラウザー ウィンドウが開き、アプリケーションのディレクトリの一覧が示されます。

4. ブラウザーで、StockPriceService.xamlx をクリックします。

5. ブラウザーに、[StockPriceService] ページが表示され、ローカル サービスの wsdl アドレスが示されます。このアドレスをコピーします。

   ローカル サービスの wsdl アドレスは、https://localhost:53797/StockPriceService.xamlx?wsdl などになります。

6. Windows エクスプローラーを使用して、Visual Studio 2010 フォルダー (既定のインストール フォルダーは %SystemDrive%\Program Files\Microsoft Visual Studio 10.0) に移動します。Common7\IDE\ サブフォルダーを見つけます。

7. WcfTestClient.exe ファイルをダブルクリックして、WCF テスト クライアントを起動します。

8. WCF テスト クライアントで、[ファイル] メニューの [サービスの追加] をクリックします。

9. コピーした URL をテキスト ボックスに貼り付けます。

10. [OK] をクリックしてダイアログ ボックスを閉じます。

11. WCF テスト クライアントを使用してサービスをテストします。

    1. WCF テスト クライアントで、[IStockPriceService] ノードの下の [GetStockPrice()] をダブルクリックします。

       GetStockPrice() メソッドが、1 つのパラメーターと共に右ペインに表示されます。

    2. パラメーターの値として「Contoso」と入力します。

    3. [起動] をクリックします。

12. アプリケーション データ ディレクトリにあるログ ファイル (%APPDATA%\trackingRecords.log) で追跡イベントを確認します。

    注 :
    %APPDATA% は、Windows Vista、Windows Server 2008、または Windows Server 2008 で %SystemDrive%\Users\<username>\AppData\Roaming に解決される環境変数です。

注 :
サンプルは、既にコンピューターにインストールされている場合があります。続行する前に、次の (既定の) ディレクトリを確認してください。 <InstallDrive>:\WF_WCF_Samples このディレクトリが存在しない場合は、「.NET Framework 4 向けの Windows Communication Foundation (WCF) および Windows Workflow Foundation (WF) のサンプル」にアクセスして、Windows Communication Foundation (WCF) および WF のサンプルをすべてダウンロードしてください。このサンプルは、次のディレクトリに格納されます。 <InstallDrive>:\WF_WCF_Samples\WF\Basic\Tracking\TextFileTracking