このトピックの内容は、Windows Workflow Foundation 4 に該当します。
このサンプルでは、アクティビティの作成者ではなくアクティビティのコンシューマーによって引数が定義されるアクティビティの実装方法を示します。ここではそのために、ランタイムによるアクティビティのメタデータの構築方法をオーバーライドします。
サンプルの詳細
ランタイムは、実行前にアクティビティの記述を構築します。これは、アクティビティ型のパブリック メンバーを調べて、引数、変数、子アクティビティ、およびアクティビティ デリゲートをアクティビティのメタデータの一部として自動的に宣言することによって行われます。これにより、ワークフローが正しく構築されるようにすると同時に、ランタイム リレーションシップおよび有効期間ルールを管理します。通常は、アクティビティの作成者が、Argument から派生するパブリック メンバーをアクティビティ型で指定することによってアクティビティの引数を定義します。ランタイムにより、Argument から派生する各パブリック メンバーに対して RuntimeArgument が作成され、そのメンバーに対してユーザーが指定した引数にバインドされます。しかし、アクティビティのコンシューマーが指定する構成によって引数のセットが決まる場合もあります。アクティビティの作成者がアクティビティのメタデータ (アクティビティに関連付けられる引数のセットを含む) の構築方法をカスタマイズするには、CacheMetadata をオーバーライドします。
このサンプルでは、メソッドを呼び出すアクティビティの引数リストを動的に構築する方法を示します。アクティビティのコンシューマーが、型および呼び出すメソッドの名前を、そのメソッドに渡す引数のコレクションと共に指定します。
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このサンプルの目的は、CacheMetadata をオーバーライドする方法と、RuntimeArgument を使用する方法を示すことです。このアクティビティで呼び出すことのできるメソッドの種類に関しては、いくつかの注意事項があります。たとえば、ジェネリックやパラメーター配列は使用できません。.NET Framework に含まれている InvokeMethod アクティビティにはこのような制限はありません。 |
CacheMetadata をオーバーライドする MethodInvoke
アクティビティは、まず最初に、メソッド呼び出しの結果を処理するための RuntimeArgument を作成し、Result
という名前のパブリックに設定可能な OutArgument にバインドします。MethodInvoke.Result
が null の場合は、その型の既定の式で構成された OutArgument が自動的に設定されるため、引数のプロパティが null かどうかをアクティビティの作成者が確認する必要はありません。
次に、CacheMetadata のオーバーライドにより、ユーザーによって指定された MethodName
および TargetType
から、呼び出しに使用する MethodInfo
が特定されます。DetermineMethodInfo
メソッドは、CacheMetadata のオーバーライドに渡された CodeActivityMetadata パラメーターを受け取るため、構成エラーがあった場合には検証エラーとして報告できます。これは、metadata.AddValidationError
を呼び出すことによって行われます。
MethodInfo
が設定されると、MethodInfo
のパラメーターが反復処理されて、各パラメーターに対して RuntimeArgument が作成され、Parameters
プロパティのユーザーが指定したコレクションの対応する引数にバインドされます。最後に、metadata.SetArgumentsCollection
が呼び出されて、RuntimeArgument のコレクションがアクティビティに関連付けられます。
引数の解決には、resultArgument
の場合のように RuntimeArgument を使用することも、Parameters
コレクションの場合のようにユーザーが指定した引数を使用することもできます。
このサンプルを使用するには
Visual Studio 2010 を使用して、DynamicArguments.sln ファイルを開きます。
ソリューションをビルドするには、F6 キーを押します。
ソリューションを実行するには、Ctrl キーを押しながら F5 キーを押します。
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<InstallDrive>:\WF_WCF_Samples
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