最も単純な事例として、スタンドアロンの .NET Framework アプリケーションは、共通言語ランタイムが既にインストールされているコンピュータなら、任意のコンピュータからローカルで簡単に実行できます。ほかに必要なものは何もありません。新しいレジストリ エントリは登録されません。つまり、他のアプリケーションが中断されることはなく、また、アプリケーションがローカルにコピーされている場合は、他のアプリケーションによってその実行が停止されてファイルが削除されることはありません。アプリケーションをクリーンアップするだけで、コンピュータ上の関連データをすべて消去できます。UNC パス、CD、またはフロッピー ディスクのようなアクセス速度の遅いデバイスからアプリケーションを実行する場合、そのアプリケーションの動作は、アセンブリがダウンロード キャッシュにインストールされ、後から自動的に取得されるという点で、多少異なります。
コンポーネント ベースのアプリケーションの場合は、コンポーネントがそのアプリケーション固有か、関連アプリケーションで共有されるか、または不明なアプリケーションも含めた任意のアプリケーションで共有されるかに応じて、多少複雑になります。すべてのコンポーネントがアプリケーション固有の場合は、そのコンポーネント ベース アプリケーションは、スタンドアロン アプリケーションと同様に扱うことができます。同様に、関連するいくつかのアプリケーションが同じアセンブリを使用する場合は、そのアセンブリを共通のサブディレクトリに配置できます。しかし、アプリケーションが任意のアプリケーションで共有されるアセンブリを使用している場合は、それらのアセンブリをアセンブリ キャッシュにインストールし、一意の名前やバージョン番号などの特定のプロパティを適用する必要があります。これにより、共通言語ランタイムがアプリケーションを適切なバージョンのコンポーネントにバインドできるようになります。.NET Framework アプリケーションの重要な機能は、アプリケーションの構成を書式なしのテキスト ファイルとして維持できることです。これにより、管理者は、開発者の手を借りることなく、特定のコンピュータにおけるアプリケーションの動作を調整できます。以降のセクションのサンプルでは、一般的なシナリオを説明します。このチュートリアルでは ASP.NET の配置については考察しませんが、同じ概念のほとんどが ASP.NET の配置にも適用されます。
参照
パッケージ化と配布 | (1) Hello World | (2) 単純なコンポーネント ベース アプリケーション | (3) プライベート コンポーネントのパス | (4) 共有コンポーネント | (5) コンポーネントのバージョン管理 | パッケージ化と配置の要約 | 付録 A: パッケージ化および配置の追加情報 | 付録 B: パッケージ化および配置用のツール